ようこそ
企業年金についてはこの数年間に大きな動きがあり、`17年1月から「リスク分担型企業年金」の厚労省令が施行となり転機を迎えました。企業が負担すべき運用リスクを受給者と現役にも負担させる仕組みで、現役と企業の合意で受給者も組み込むことが可能となったのです。
更に厚労省は`19年二月から改組した企業年金・個人年金部会で新たな画策を開始しました。
以下に記します経過と問題につきましてご理解の上、当会にご入会頂けますよう、お願いします。
財界・厚労省が企業年金を相次ぎ改悪!銀行も悪乗り!
企業年金と言えば、「退職金の一部で、銀行が利益を挙げていれば大丈夫」と思われています。
しかしこの数年来、厚労省は財界の要求どおりに、次々と制度改悪を進め、銀行も悪乗りし、私たちの受給権が懸念される問題が出ています。最近の主なものは次の三点です。
① 黒字企業であっても条件次第で減額しやすくしました。(`13年9月)
② キャッシュバランスプラン(CB)の「設計弾力化」も可能としました。(`14年4月)
②は、国債の金利に連動して給付が変動する仕組みで銀行は現役に2012年4月に導入済みですが、更なる改悪となる「設計弾力化」で、基準金利ゼロなども可能とし、企業・基金のリスクや負担を一段と受給者に転嫁できるものです。
③ 個人拠出の確定拠出年金を銀行が開始しました(`15年4月)
銀行のように既に確定給付企業年金のある企業は実施できないことになっていたのに、銀行が突然に提案、行員の給与の一部分を返上させて自己拠出する新制度を導入しました。
退職年金の改善を四半世紀も棚上げしておいて、現役の自己責任による元本保証なしの年金制度を始めた訳です。しかも法律の枠外のため銀行が拠出した形にして節税メリットを銀行が得ました。(この方式は三井住友銀行も後追いして16年に導入)
④ 企業が負うべき運用リスクを現役・退職者にも負担させる制度
これは、企業の自己責任と負担を現役や受給者に転嫁し、市況変動によっては減額するという不条理なもので、退職金の定額延払いという企業年金の基本から逸脱するものです。
厚労省は企業年金部会で長く審議、16年5月に案を公表、矛盾と問題を抱えたまま年末に厚労省令を公布、17年1月に大急ぎで施行となりました。
⑤今また厚労省は企業年金部会を改組し「企業年金・個人年金部会」で19年二月から新たな画策を進めています。
この後、12月に「議論の整理」を公表し、寿命延伸に伴い給付減額を可能とするなど企業本位の改定を政省令で行い、受給者のために必要な支払い保証制度作りを棚上げするとか、受給者が求めてもいないバイアウトを審議予定とか、安心できない状況です。
詳しくは本ホームページの「最近の動き」をご覧ください。
私達の受給権を守る法令があります!
現役のとき、「企業年金は先の話で不安感ナシ…」というのが大方です。しかしこの数年間の動きは目まぐるしいばかりで、今では「時代の流れで仕方ない」との声も聞かれます。でも、諦めや悲観は無用です。企業年金の受給権は次のように法的に明確です。
★企業年金は退職時に金額で示されて確定した金銭債権です。従って企業年金は、本来は市場の金利に左右される「金融商品」とは全く異なるものです。リスク分担も無用です。
★「確定した金銭債権」は一方的に変更できるものではなく、変更の場合は本人同意が必要です。銀行が融資業務で、取引先に実際行なっている基本事項です。
★私たちの確定給付企業年金は、運用実績が予め銀行・基金が決めた予定利率を万一下回るなどして基金運営が困難となった場合には、銀行が資金を拠出するように法令が義務付けています。
受給権を守るための会に入って情報・知識を共有しましょう!
折角、受給者を守る法令があっても知られておらず、受給権を侵害する画策が進行していても知らされず…では、翻弄され暮らしが見通せません。退職すると基金は脱退者扱いとなり、尚のこと分りづらくなります。受給者として知るべきことも知らされず…、では安心できません。知らないことをいいことに企業が権利侵害…はよくある手法です。最近の一例としても、基金の規約が知らない内に不利に改悪されていました(基金の財務情報などの開示は受給者も現役並みとなっていたのに、受給者には「努力義務」へと後退)。
銀行は前記②の制度へ変更の時、現役からの批判をかわすために退職者への負担も検討したと組合執行部に述べました。
④のリスク分担DBを銀行が導入する可能性はあり得ますが、受給者はバラバラのままでいいのでしょうか。受給者が連帯して意思・要望を提起していく、問題点(例えば規約改悪)を問い質す役割を果たす当会の存在と発展が必要ではないでしょうか。
当会は銀行が②を提案する直前の2010年11月に立ちあげてから9年経過し、日頃から会員を増やす取り組みを強めてきました。
当会では、ホームページ搭載記事よりも更に充実した記事(例えば基金の決算分析)を会報に載せ、企業年金に関する情報や知識の普及共有に努め、企業年金の債権者として、債務者たる銀行の経営動向もウオッチして広報してきました。そして基金には毎期、決算や代議員会の内容について説明を伺ったり、意見交換したりしてきました。当会独自に勉強会や懇親会も開いてきました。
ご一緒に安心出来る老後を!
これらの活動を更に拡充し、年金基金や銀行と協議・交渉もできる存在感のある組織に発展することをめざしています。何よりも会員の数が世論を広げ健全な基金運営へ繋がる力となり得ます。
何かと難しい時代ですが、流されることなく、お互いに連帯を広げ強めながら皆さんとともに安心した老後が過ごせることを目指しています。ご入会をお待ちしています。
入会の年は入会金千円のみ、以後毎年の会費は千円です。会報は二カ月に一度奇数月に発行します。別項の会則をご覧の上、お申込み下さい。