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​交流の場-最新

大波よせる情勢に私達はどうなる?どうする? 26.3.26.稲邑明也(旧三菱)

のんびりゆったり暮らしたい年金生活者にとって政治も経済も安定して欲しい処ですが、近頃は不安感が増すばかりの流れとなっています。

総選挙で自民党が「大勝」して予算案を衆議院で史上最速で審議終了としましたが、中身は暮らしと平和を守る上で心配なことばかり詰まっています。

その上にトランプ政権が予測不能で短慮極まる横暴無法な振る舞いで世界の平和、経済を撹乱しています。イラン攻撃は遥か彼方の戦争ながら、石油・関連物品の価格上昇・品薄をもたらし諸々の物価に跳ね返りつつあります。円安・債券安・株安などで景気、年金基金、虎の子にも響いてきます。

私たちの確定給付企業年金は物価スライドがないし、公的年金は引上げ措置があっても、不十分な仕組みに既に変えられています。乱世とも言える国内外の動向について年金生活者の立場から暮らしと平和が守られるよう一段と視野を広げ、複雑に絡む経済・金融でも情報、知識を共有し、安心して暮らせる方向を見据えていきたいものです。

高市首相で今後はどうなる?

「失われた30年」は庶民にとって「奪われた30年」です。弱肉強食促進の新自由主義に、アベノミクスも加わっての故なのに、高市首相はこの継承を言明するだけでなくインフレ下に「積極財政」を推進、国債依存でアブナイ政策推進を掲げました。

これでは、国債利払いが増え、財政・矛盾が深刻化します。これらを覆い隠すためにわざわざ「責任ある」というマクラ言葉をつけるところに無責任さが露呈しています。

これを内外から見抜かれて金融市場は円安が更に進み債券も下落し金利が上昇。そこへアメリカ・イスラエルがイランを攻撃し原油、LNG価格上昇、金利上昇、景気後退etc.となり日本経済も国民の暮らしも厳しさが増してきました。

「積極財政」とかで日本国債への信用度が低下すると、国債格付けの更なる引き下げとなり、金融市場に激震を与えます。海外展開している大銀行・大企業などは海外での資金調達コストが急増し、多大な悪影響を受けます。

物価や日銀の利上げ方向はどうなる?

日銀は昨年末にやっと0.25%引上げ0.75%へと30年ぶりの水準になりました。アベノミクス・異常低金利政策からの脱却から更に引上げ必要と見られてきたものの、高市首相が日銀総裁を牽制。19日に金利据え置きの決定はしたものの、中東情勢・賃上げ状況など様々な要因を勘案し、日銀としては利上げ方向が基本としています。

国民の暮らしにとって、利上げは的確にやれば円安是正に向かう要因となり、高物価対策になり得ますが、高市首相は、株安、国債金利負担、景気後退など懸念し、消極姿勢です。勿論、利上げで円安是正・物価引下げと単純視できません。高物価なのは消費税が上乗せされているなど他の問題もあり、消費税の引下げが重要課題となります。

しかし、高市首相は国会に諮らず国民的議論をする「国民会議」任せとし、追随野党だけ参加の方式で審議開始。しかもこの会議名は「社会保障国民会議」とし、社会保障後退の議論も出てきそうな雲行きです。

折しも大企業の春闘回答が続き「物価上昇を上回る賃上げになるのでは…」と「賃金と物価の好循環」が政府・財界などから流されています。でも実際には、積年の物価上昇に追いつかない賃上げで、満額回答と言っても、昨年より要求を引き下げてのものです。こんな不十分さが年金にも波及の仕組みであることを看過できません。

物価と年金の関係は?

公的年金は、マクロ経済スライド方式は引き続いており、その上、年金カット法(16/12成立、18/4施行)により物価上昇率が高くても、賃上げ率との比較で、どっちか低い方に合わせてスライドが決まる方式です。結果はグラフ(会報に記載)の通りで、アベノミクス開始以降累計で実質8.6%の目減りです。

企業年金は永年の確定給付型の場合、退職時に決定された金額が終生変わらないので、物価上昇の分だけ実質的に減価です。

2013年から2025年までの消費者物価指数の単純累計で上昇率は上図からも14.0%の目減りと言えます。

しかも、全年代まとめての物価統計だけでなく、高齢者の支出ウエイトの高い「生活必需品目」の上昇率も考える必要があります。2013年対比で25年は、食料全体=30.0%、生鮮食品=32.0%、​光熱・水道=39.4%、医療=22.8%、保健=22.7%などとなっています。

企業年金でも、キャッシュバランスプラン(三菱UFJ銀行は`10年に導入)での受給者は10年国債の市場利率の5年単位平均で決まります。現行は最低の2.5%適用の給付ですが今後は、利上げと共に国債利率の上昇に基づいて給付額が増える可能性があるものの、過去の低率続行からすると先行きはスグに上がりません。

ちなみに三菱UFJ銀行基金は25年12月末以前5年間の10年国債応募者利回り平均1.5%、これに最低保証1%上乗せで2.5%なのです。労働の対価反映でなくて時々の金融市場の動向で退職金の分割払い額が決まるのは筋違いと言うべきです。

しかし、従来型の確定給付受給者と対立の関係に陥ることは無用です。両者は基金の運用益を分け合う関係ではなく、それぞれの決定方式での受給権を守ることが基本です。給付資金が不足の場合、銀行が追加拠出する義務が法律で定められています。

しかも、従来型確定給付の人もキャッシュバランスプランの人も同じように物価上昇、インフレの弊害は受けますので、共通する問題を直視すべき一蓮托生の間柄です。

利上げ方向の下で企業年金の基金は?

基金にとって利上げに向かう今後の見通しは複雑な面があります。

先ず、利上げで国債の価格が下がります(コインのウラ・オモテみたい関係)。私たちの基金は債券運用が最多ですが、利上げ=価格下落は、基金の運用益、資産の評価額に悪影響を及ぼします。外国債券も似たような変動関係にあり、特に利上げ、インフレ化への対応が、基金や運用会社の重要課題となります。

国内外の株式運用のリスクは債券以上に敏感に振れる特性があり、基金が委託している運用会社の力量が問われてきます。

多くの基金は、運用益の高い「オルタナティブ」にも運用していますが、金融市場激変などで売却したくても価格が定まり難く、迅速売却しにくい特質のため、現状は、リスクを考慮して多くの基金は少なめとしています。

リスク増大のなか高市政権の施策は?

高市政権はトランプの身勝手に揺さぶられ、軍拡などで国債を増発して円安をもたらし、利上げでブレーキかける必要があるところ、日銀に圧力を加え審議委員の交代で金融緩和派を送り込みました。

さらに新増税=所得税額に対しての1%分上乗せ課税が予算案に盛り込まれ、暮らしは厳しさを増す方向です。

世界的なバブル状況の中で、主要国の政策当局は国債減らしに努めGDP比でも抑え込みに努めているのに、日本のGDP比は高まり続け今では政府債務は260%(国債のみで183%)で断トツ、続いてイタリアの140、アメリカの120…です。

日本の国力低下と共に国債が信用低下で海外から売り浴びせられたらギリシアみたいに悲惨なことにならないか?という点については、「海外投資家の保有率は低いから大丈夫」と喧伝されてきました。海外投資家の保有率は6.6%と低いのは事実ですが、日銀の国債保有率は約50%となっており、こちらの方も大きな問題です。

日銀が大量保有する分、国債市場の売買が細り、金利が本来の需給で決まらなくなります。金利上昇局面では国債売買価が下落ということで日銀が巨額の含み損を抱え、信認低下の火種となります。国債を売るには価格引き下げ=金利が急騰し、国の利払い費が膨らむことになります。

26年度の国債費予算は 31 兆円(全体の四分の一)、利払い費は 13 兆円と過去最大であり、今後の利上げ方向の下で利払いは20兆円とも想定されています。

こうなると更に国家財政・日銀・円への信認低下、利上げと景気後退で,スタグフレーションと称される事態に突入して、倒産増に金融機関の運用難など、経済全体にリスクが広がります。庶民にとっては円下落が物価上昇に跳ね返ります。もちろん悪影響大なのは確定給付企業年金です。

警戒すべきバブル化と崩壊方向

更に警戒すべきは、世界的な資金過剰で進行してきたバブルの破綻です。経済誌紙には前々から警戒論は載りましたが、いま国内外のエコノミストが共通して指摘するのは

▼騰勢大なAI関連株・ハイテク株は金利に極めて敏感、

▼金利が上昇しやすい環境下に米・日・欧諸国の財政負担が軍拡も加わって急増、

▼投資家の楽観が「低金利前提」で成り立っている 点です。

要するに、バブル崩壊の契機・引き金となる「高債務」「 高金利 」「地政学リスク 」が同時進行しており、 資産価格の過熱を支える基盤が弱いという指摘が共通していると言えます。取り分け多くの警戒論に共通しているのは「金利上昇が世界的バブルの崩壊トリガーになる」という点です。

エコノミストらの警告

警戒論の一例が日本経済新聞(3.18)が載せたFINANCIAL TIMES columnist ジリアン・テッド氏の寄稿で、「08年型金融危機はあるか」「原油高と融資不安、当時も」の見出しで次を指摘しています。

♦リーマンショックが起きた2008年夏の“嵐の前の静けさ”と、現在の市場心理は驚くほど似ている。

♦AIブームの陰で、金利・債務・地政学のリスクが積み上がっている。

♦投資家は「見えないリスク」を軽視してはならない。

とし、イラン戦争とプライベートクレジット業界の問題の組み合わせ次第で金融市場を揺さぶる可能性はあると指摘しています。

 同氏が指摘の“市場が落ち着いている時ほど、見えないリスクが蓄積している”という「静けさの裏のリスク」は日本市場にも次の様に存在していると言えます。

♦日経平均は高値圏、♦円安で企業業績は底上げ、しかし裏側では♦商業不動産の空室増、♦地方銀行の含み損、家計の実質所得低下、♦国債市場の流動性低下 などに注目必要です。

 

 また、ハーバード大教授のケネス・ロゴス氏は「金利ショック、5年以内に」「米政権下でリスク早まる」との見解です(日経新聞3.22.)

さらに、著名な投資家ジム・ロジャーズ氏は「通貨安を喜ぶ日本人は『歴史の鉄則』をわかっていない」と痛烈に批判し、株価上昇に湧くのは「極めて危険な予兆」であると断じています。東洋経済電子版(3.23.)

 

こういうなか、イラン戦争深刻化などで更に金利上昇、原油価上昇で経済混乱となればバブル崩壊の可能性大との警告が目立っているのです。

高市首相の軍拡・国債頼み・信認脆弱の下で世界的バブル崩壊が起きると、日本は“円安+株安”の同時打撃に見舞われます。日本発の崩壊を指摘の論もあります。

米欧の金融業界の一角に不安が…

こんな懸念拡大の中で二月下旬に米国のプライベートクレジット業界(銀行事業とは異なり長期融資を行う「投資ファンド」事業)に問題が起きました。

米欧では高金利の長期化で業界の脆さ(融資は長期なのに分配は短期定期)が露呈し、評価損や償還難が相次いでいます。欧州では住宅ローン会社の破綻も発生し、商業不動産ローンの劣化も進む中、2月下旬には米国プライベートクレジット大手のブルー・アウル・キャピタルが一部の解約停止に追い込まれ、“影の銀行”の流動性リスクが一気に表面化しました(あおりを食って日本の3メガバンクの株価も翌週に一斉低下=イラン戦争の前)。

これは業界の急拡大が、脆弱な資金構造に支えられていたことを示す象徴的な事例で、米欧の不動産ローン劣化と合わせて、世界的な信用収縮の初期症状とみられ、金融市場の調整リスクは確実に高まっているなどとエコノミストらから警告が出ています。

ゴキブリぞろぞろ~?

昨年10月にJPモルガンのジェイミー・ダイモンCEOが「プライベートクレジットにはゴキブリがいる」と発言し論議を呼びました。

同氏は、プライベートクレジットは 「銀行が貸さないところに貸す」 という高リスク体質を問題視していて“1つの破綻が起きると同じ問題を抱える企業が他にも潜んでいる” と警告したのです。

信用市場の問題は単発ではなく、連鎖的に広がる可能性が高いとの指摘で、ブルー・アウル・キャピタルのCEOが反論しましたが、実際には後日、同社に問題が発生したのです。

大手運用会社ブラックロックなどが、多額の償還請求を受けたため償還停止し、銀行が一部のプライベートクレジットファンドに対し、借入条件を厳格化・貸し渋りなどの措置を講じた経過があります。

なお、三菱UFJフィナンシャルグループとしては傘下のMUFGモルガン・スタンレー・クレジットソリューションズがプライベートクレジット分野に進出しています。

https://www.mufg.jp/dam/pressrelease/2025/pdf/news-20250217-001_ja.pdf

円安・物価上昇→「そんなことより」資産運用立国…

岸田政権以降「資産運用立国プラン」が推進されNISAの優遇拡大、企業年金ではiDeCoの拡充など推進されてきました。65歳以上対象のプラチナNISAは見送りとなりましたが、若年層には、公的年金先細り・信頼低下と自助精神醸成で、生活費を切り詰めてせっせとNISA積立てに励む傾向が強まり、今では「NISA貧乏」の新語が流行という状況です。

投資先は海外の人気銘柄に傾斜している面があり、このために円売りドル買いが増えて円安の要因となるし、節約で全体的に消費減退となり景気好転・GDP成長に繋がらない実情です。

株相場激変で、NISAやiDeCoの利用者は困惑しても、関係業界は手数料稼ぎで繁盛の仕組みです。国民にとっては立国どころか立腹もので、満腹は資産運用関係企業です。一人当たりGDPは世界で40位(ドイツ15位、英国20位、韓国38位=IMF26年推計値)で、カネ転がしよりも産業興隆を期しての政策立案と推進が求められています。勿論、軍需産業に投融資を進め輸出で稼ぐ高市政権と財界の方針は論外です。

問われる銀行の姿勢

こんな折り、全銀協半沢会長は19日の会見で「日本経済が長期停滞した背景として、企業が内部留保を積み上げる一方で、設備投資・人的投資が不足していた 」「これからは賃上げと投資の好循環が必要」と述べました。

全銀協会長の問題指摘と提起

これまでも、◆融資中心の金融構造では成長投資を支えきれない、◆銀行がリスクマネー供給と地域支援の役割を強める必要あり、◆金融庁との制度改革議論が必要…などについて発言しています。こうして日本の金融構造が“融資中心”から“リスクマネー供給型”へ転換の方向が提起され、金融庁との政策調整に入っている状況です。

具体的に言えば、①銀行はリスクマネー供給と言う事で融資だけでなく出資も推進する、

②一般事業会社への出資規制(原則 5%、例外的に15%)を更に緩和する、

③融資拡大も含めて当面の方向としては、高市政権の掲げる重点産業17分野(経済安全保障・成長戦略の対象)となります。但し、銀行・MUFGは政府の重点17分野(経済安全保障・成長戦略の対象)について露骨な言い方はせず「国家的に重要な産業へのリスクマネー供給を強化する」と表現しています。

既に三菱UFJ銀行としては24年4月、異例の半導体産業に特化した専門組織(半導体バリューチェーン推進室)を立ち上げました。こんなのは前例がないと言われる程の注力です。ラビダスの設立時出資8企業の中に銀行としては唯一三菱UFJが名を連ね、その後は他のメガバンクと共に増資に応じたし、27年以降に融資の意向も示しました。(最大2兆円規模、政府保証付き)

トランプ関税に絡む対米投融資の案件で、温暖化対策に逆向などのプロジェクトに三菱重工、三菱電機、などグループ企業の関与と共に銀行も絡んでこないか?という危惧、さらに、核兵器製造企業への投融資もあり、私達退職者としては銀行が真に世のため人のためになる健全な経営となることを求めて行かざるを得ません。

春闘の時期に銀行の方針は?

銀行は、私達が現役時代から総人件費抑え込み方針を推進しましたが、今では、定年延長と50代での出向・転籍減の方針公表のように、姿勢転換の方向が窺えます。

定年延長は27年度から実施との報道が昨年10月にありましたが、この背景と目的としては、★人材構造の変化と人手不足への対応、★バブル期採用組の大量退職で経験豊富な層が一気に減少、穴埋め必要、★デジタル化で単純業務は減るが「高度な判断ができる人材」は必要、★シニアの知見を活かす必要が高まって、経験豊富な人材を残す…ということが察し得ます。

 若手の採用・定着の強化ということで★26年度に平均3%超の賃上げ、★若手は最大7%の賃上げ、★初任給30万円へ引き上げ(但し、新採用の過般を占めている中途採用に言及なし)、★臨給含めて年間10%程度の賃上げ、との観測記事が出ました(ニッキン2.25.)。

問題は、相変わらず「成果・能力」が重視され一律の改善とはなりにくそうです。

AI活用でMUFGトップは…

AI活用の時代で、銀行はAIを駆使できる人材を必要として、MUFG亀澤社長の見解は統合報告書などに示されましたし、最近も日経新聞(日経3.8)に載りました。単なる経営者の未来予測ではなく、人間観・社会観・技術観が交差するユニークな見解となっていますが、具体的にどうなるのか?注目されます。

同氏の見解のポイントは AIを「人間の内なる革命」と捉え、「AI-bow」(=相棒)という愛称を付けた「 AI行員」の導入は“人間が創造性を発揮するための環境づくり”だと強調、AIの使い方を間違えるとAI任せになって人の劣化を招く、AIは凡人を強くし、組織全体を底上げする技術であり、 ホワイトカラーの定義が変わる、AIは目的を持って使うべき、雇用は減らない(日経3.8)、という内容です。

二月には「法人営業部門で生成AIによる提案書自動生成で20万時間の事務量削減」との一部新聞報道がありましたが、人数削減ではなく事務量削減というのがミソです。

三菱UFJ銀行としては、示された方針やMUFGトップの言葉に即して雇用と労働条件の維持向上に努める必要があります。そうしてこそ私たちの受給権も守られます。

   他企業や海外も含めて企業年金を巡る変化

 オランダでは23年7月に「新年金法」が成立し、28年1月までにすべての確定給付企業年金を確定拠出型(DC)へ移行することが義務付けられました。民間企業の年金について国家が受給者個人にまで変更を強制することは、本来あってはならない筋違いです。

 

この背後には、財界・年金基金などの要請で右派与党政権が国会で多数を占め左派政党を抑えて議決した経過があります。政治の右傾化が何をもたらすのか?他山の石として私達も視野を広げて連帯していきたいものです。

 年金基金は企業側と現役が代議員を出して運営し、退職者も含めての意志を反映し得る体制ですが、確定拠出年金に移行すると基金を存置してコストをかける必要がなくなり、既に、大企業では東芝、日立製作所、NEC、パナソニックなどの電機、日産など自動車、三菱ケミカルなど化学業界などで解散しています。

銀行ではみずほが現役を確定拠出年金に移行しました(基金は今のところは存続)。

確定給付の受給者は年々減るのみで、閉鎖型という仕組みへの移行もあり、受給者の連帯は一段と必要になります。

「銀行は利益をあげているから減らされることはない」といった意見がありますが、直接の減額は無いとしても、基金廃止とか、オランダの様に制度自体を改悪とか、強欲資本主義の下で翻弄され得ます。そういうことのないように受給者は連帯し、悪政に対峙していく必要があります。

激動の情勢ですが、情報と知識を共有して、安心できる方向を目指していきましょう。

 

 

会員寄稿

大物釣りのあとは大変!  駒村忠利 (旧三菱)

御多分に漏れず、気力、体力、財力の著しい低下の昨今ではありますが、去年12月29日、近くの沖堤防に釣り収めに行ってきました。サイズは小さめですが、86㎝、7kgの弾丸型の寒ブリを釣りあげました。ブリとのやり取りは、常連さんらしく落ち着いて15分かけ、釣りあげました!

 日にちがたって感動は薄れてきても、やっぱり嬉しい。(その日のブリの釣果は私だけ)しかし、後が大変!いつも、さばきをお願いしている魚屋さんは12月で大忙し。「ムリ、ムリ、ムリ!」3度も言われてしまった。

自分でさばくほかない。出刃包丁はあるが簡単ではない。

妻はプロの料理人だが、大型魚のさばきは断固拒否中!

ネットで調べることなどしない、勘でチャレンジ!銀行員時代、嫌がらせでマニュアルは見せてもらえなかった中、「マニュアルはこう書いてあるはず!」でやってきた癖。

「こうさばくべき」「こうなるはず」で、出刃を振るい見事に3枚におろし身を4ブロックに切り分けました。包丁を入れる角度等のコツが少しわかりました。

ご近所に「おすそ分け」はしません!「お返し」で迷惑をおかけするからです。

私は、釣りはしても、食べるのは苦手!お返しの心配のない人に押しつけ処分完了。

これからも、釣りをつづけるべきか?

今、私たちの社会は、激動の時代に突入して非常識が大手を振るっている。

想像もつかない危険性と、裏腹に可能性を秘めた中、社会をよくするマニュアルを豊かにして学び行動して、平和でワクワクする人生を過ごしたいものです。思い切り良い年にしましょう!
 

五行歌 中農弘志 (旧三和)

この世に

思い残すことがないほど

燃えてみろ と

落日は

渾身の赤が

 

俳句 根上義雄 (旧東銀)

初日の出海は瀬戸内山は富士

戦なき日先ず停戦と冬(ふゆ)薔薇(そうび)

渾身の祈り届けや凍空へ

軍事国債二兆円や別れ霜

人といふ物の不思議や隙間風

誤算なき白梟の目の動き

布団干す昭和の景色パパンパーン

確りと風と対話の干し大根

英字紙に包む百本冬薔薇

初日の出悲しみのなき日を祈る

川柳 与謝糠晶太 (旧三菱)

 

ドナルドにビックリ仰天モンローも

ドナルドに墓場で怒鳴るモンローさん

アメリカの下駄の雪じゃいずれ消え

荒馬の馬場にじゃじゃ馬蹴散らされ

じゃじゃ馬の馬力右傾じゃ落馬する

民の声馬耳東風の政治屋ら

連立の前から馬脚太く出し

身を切ると言うほど気になる誰の身か

マスコミの忖度支える高い支持

働いた実績無いうち解散へ

論戦は逃げるが勝ちヨ!みんな散れ

宝船沈ませるのか弁財天

「中道」のハズが大道から外れ

警告を無視して夢死の末路へと

年賀状来ぬともしやと思う友

年賀状「これで終い」の字が震え

いつまでもウマくならないヘボ川柳



危険極まりない高市総理の発言!   脇田 勇 (旧東海)

新年号に相応しくない原稿で大変恐縮ではありますが、一月という月は地震をはじめ自然災害、事件・事故などが多く発生する月でもある。年の初めというおめでたい時期にである。高市総理が「年賀の記者会見」で何を発言するかも注視する必要がある。(念のため、この原稿は年末に書きました) 

 最近、許されないと思うと同時に許してはいけないと思うふたつの発言を述べたい。 

 「台湾有事が発生したら・・・・」発言で、中国との関係がギクシャクしてしまった。振り返れば、日本は中国を日本の領土化をめざして随分ひどい弾圧・戦争を強いてきた。日清戦争以降に日本は台湾を植民地支配したが、ポツダム宣言受諾後に中国に返還したという歴史がある。 

 1972年、日中国交正常化の共同声明で台湾は中国の領土の一部と日本は十分に理解したはずだった。その中国からすれば、「あの時、日本は台湾が中国の領土だと認めたのに、なぜ今さら私の国のことに首を突っ込んでくるんだ。ほっといてくれ!」と怒っているのだと思う。普通はそう言われたら、「口出しして、ごめんなさい」と謝罪するべきだったと思うのがひとつ。危うくて仕方がない。 

 もうひとつは、核兵器禁止条約に足を踏み出さずに、「非核三原則を見直す」と言い出し、政府の高官までも「核を持つべきだ」などといった発言が続く。 

 「核抑止論」は、あの悲惨な危険極まりない人類の生存を脅かす核の危険性があるにも関わらず、「紛争が解決困難な場合は、核兵器を使うぞ」と脅かすといった危険性をアピールしているようなものだ。核兵器廃絶こそ、世界の安全と人類の生存に不可欠ではないのか。 

 考えるべきでないかもしれないが、万が一、米軍やロシア、中国の核兵器搭載の潜水艦や戦闘機が誤作動したり、飛行や航行でちょっとした操作ミスなど異常事態が発生した場合にどうなるのかと思うとぞっとする。いや、ぞっとするだけでは済まないことが発生する可能性があると思う。対外的にいくら「核抑止」といっても、絶対に安全な核兵器なんかはあり得ない。広島・長崎の原子爆弾であることは全世界が知っている。 

 おりしも年末のテレビ番組で、過去にロシアの戦闘機が北海道に低空接近した際に自衛隊が官邸からの指示を受ける前に迎撃準備を整えていて、一触即発の状態だったと解説があった。最近でも自衛隊機に中国からのレーザー照射騒ぎがあり、危険な状態だったという。 

 また、米国が台湾への巨額の軍事支援を表明したことにより、中国は大規模な軍事演習を台湾の周囲の海域で展開したとの報道もあった。 

 今の世の中、あまり喜べるような状況ではない。悲しい!  ひどい! なんでや! どうして? といった政府の施策や事件事故が余りにも多すぎるとともに、日本の空や海が危険な状況になっていると思うのは当然であろう。

 どうか世界から紛争のない、子供たちが貧困にあえぐこともなく、安全で平和な社会が広がるような初夢を観たいものである。と、ここまでが昨年末の原稿でした。 

 初夢は悪夢に! 

  みなさんもご存じのことと思いますが、「能面」の表情は見る者の心の動きを捉えるように、時には悲しそうに時には笑顔に見えるそうである。 

高市首相がトランプ大統領と面談した時のあの笑顔、国会での代表質問に答える時の笑顔、記者会見の場で見せる笑顔。私には愛想笑いに映る。その笑顔の裏の顔は「般若」か「悪徳商人」の面(つら)だ。 

 表面上は愛想笑いで、頭の中では「なんとでも言え」「私は私の考えでやる」「今に見とれ!」と言わんばかりの作り顔に見えてしまう。 

 多くの国民が期待する?人気の総理。国会議員の定数削減で35~50億浮いてくると意気ごんで見せたが、「自己中解散」で600億円かかる。まだ、具体的なお手並みも見ていないのに。国会解散で「信を問う」? 600億円を物価高対策や国民生活に予算をつけてくれた方がよっぽど支持率が上がるのにと思う。 きっとあの笑顔の裏の真相が暴かれるときが必ず来ると確信する。そんな思いを持って「初夢」の見直しでもしますか。 

巨星墜つ! 名優仲代達矢さんを偲ぶ  中農 弘志(旧三和)

昨年秋「名優仲代達也さんが静かに息を引きとられました」・・突然の訃報に私は心の奥底に何か大きな空洞ができたような思いをした。私とほぼ同年代(享年92歳)で幼少期は空襲と戦災の恐怖、飢餓に襲われ、終戦直前の東京大空襲(1945/3月)では東京中が火の海になる中、仲代さんは命からがら逃げのびたと語っていた。

「火だるまになっている近所の女の子を抱えて無我夢中で逃げ回ったが、ふと気がつくと胴体がなく抱えていたのは女の子の片腕だけだった。」と。

 こんな悲惨な戦争体験から仲代さんは平和の尊さ・人間の愛おしさを役者人生の礎として演技で貫いてきたと芸談(芸の哲学)に書き綴っていた。

 2年前、日本記者クラブに招かれた時の講演(you tubeで視聴)では「国の力でたった一度しかない国民一人ひとりの人生を断ち切る戦争は絶対にやってはいけない」と胸を張り堂々と訴える姿はまさに心の叫びそのもので身震いするほど迫力があった。

 とかく芸能界ではこうした発言を敬遠する傾向にあるが仲代さんはそのタブーを見事に打ち破った。

 実際、しんぶん赤旗日曜版の新春特集号には1923年から3年連続してその目力(めぢから)溢れる顔写真を大写しで掲載された。写真の横には平和の尊さを語るひと言や芸道の幾星霜の格言が語られていて、私はその一言一句をメモって新年を迎える心構えにしていた。本当に「人生の師」ともいうべき存在だった。

 とりわけ映画では「どんな悪人であろうとどこかに人としての愛おしさがある」・・、そんな「人間賛歌」の信念を演技に貫き通した名優であった。(文化勲章受章)

 おなじみの黒澤映画〜三船敏郎と共演の「7人の侍」「切腹」「椿三十郎」「影武者」等今もなお胸打つ名画の「人間の条件」で当時27歳にて一気に大スターになりました。

晩年は俳優を務めながら演出家として後継者の育成に尽力。そのためには若手以上の体力を、と①毎朝5000歩のウオーキングと10分間の筋トレ②それが終ると1米四方の紙に自分と相手役のセリフを筆ペンで書き写し③朝食後障子に貼り付けて④それを正座して暗記するという「役者修行」を力尽きるまで励行していたと・・・。

「生き抜くとは、かくあるべし」それを身をもって示された仲代さん!実に見事な生涯でした。                          合掌

 

歴史はいつも若者が切り開く   大澤謙蔵(旧三和)

明けましておめでとうございます。
今年も、「考える会」の存在意義を深め、発展を期したいものです。

若者との対話

私「高市首相が、若者に人気があるなんて理解できないのだが。」

M君「SNSだよ。『台湾問題』で高市首相は、人工知能を使ったプロジェクトを立ち上げると思うよ。」

私「支持率70%など、信じられないのだが。」

M君「90%と言われているよ。僕の周りには積極的な支持者はいない。アンケートに真面目に応えていくと、『支持』になっているんだ。」

私「学校で、政治の話をするの?」

M君「余りしないね。そういえば大学祭の時、保守党の百田が講演するとかで揉めたことがあった。阻止したようだが。」

私「学校は面白いかね。」

M君「楽しいよ。ゼミの討論もいいし、サークル活動でバンドを組んでいるんだが、とても楽しいよ。」

私「Ad0の『うっせえわ』が大ヒットしているが、さっぱりわからないね。」

M君「大人たちの偽善的な正しさに対する若者の反発、と見りゃいいのではないかな。」

  「ロックバンド『オアシス』が来日した時、チケットを買うのが大変だったよ。3万円だったが、場所によっては、10万円以上だった。『パルプ』(バンド)の大阪公演には、夜行バスでかけつけたよ。」

私「東京ドームや武道館を満員にする若者のエネルギーは、どこからくるのかな。」

M君「燃えたいのだ。自己実現しようと思っていても、情報はSNSが頼

りになっているんだ」。今、『(社会)の底には何があるか』菊谷和宏著

(講談社)を読んでいるんだ。」
 

歴史をつくる年、新しい時代がはじまる

ニューヨーク市長に選ばれたマムダニさんは「社会主義」を掲げています。アメリカの「民主的社会主義者」という組織(DSA)は若い人たちを中心に急速に大きくなっていると言います。資本主義の「総本山」とも言えるアメリカで「社会主義」を掲げる団体が生まれ、広がっているのです。

マムダニさんは言います。「民主主義を買収できると思い込む億万長者や一握りの権力者でなく、すべての市民に応える」「民主的社会主義者として選ばれた。民主的社会主義者として市政を担う」 就任式では「今日から新しい時代が始まる」「市民の暮らしを良くするために力を使うことをためらわない」グローバル資本主義の中心地ニューヨークで民主的社会主義者のリーダーが誕生した瞬間です。
 

歴史の逆流も発生

3日、米国がベネズエラを侵略しました。トランプ米政権の行動は、国連憲章違反で法を犯すものです。

(国連憲章『第2条[原則]―4『すべての加盟国は、その国際関係において、武力による威嚇又は武力の行使を、いかなる国の領土保全又は政治的独立に対するもの、また、国際連合の目的と両立しない他のいかなる方法によるものも慎まなければならない』)

今回の事態は「国連加盟国が、力や強制によってベネズエラの政府的将来を決定する権利があるかどうかの問題」であり、国連憲章に直結すると指摘されているのです。

アメリカ国内では、トランプの軍事行動世論調査では、他国を侵略することに反対する世論が支持する世論を上回っているのです。
 

「失われた30年」願いは、平和と暮らし、民主主義、人権を求める

高市首相は、「法の支配」の尊重といいます。日本政府は、ロシアのウクライナ侵略の際には「・・国際法に違反する行為であり、決して認められるものでなく、改めて強く批判する」と抗議したのでした。米国の「侵略行為」を黙認しながら、中国の行動を「力による現状変更」と批判できるのでしょうか。仮に、台湾の武力併合(台湾有事)がおきたとしても非難できないことになります。「存立危機事態」は成り立たないことになります。これを「阻止」するための米国の軍事介入も理屈が通らないことになります。

「法の支配」は、常に説明責任を負っています。韓国からの報道によれば、日本の旧統一教会が2021年の衆議院選挙後、韓国の教団本部に対し、自民党の国会議員290名を応援したといいます。「看過できないのは高市早苗首相の名が32回登場すること。高市政権は「インテリジェンス・スパイ防止関連法制」の早期制定を目指すが、かつてスパイ防止法制定を促したのが教団系政治団体『国際勝共連合』だ。・・高市氏は教団との関係をあらためて国民に説明すべきである。」(東京新聞社説)

正月5日、高市首相は、安倍元首相の遺影を抱え伊勢神宮参拝を行ったのです。「再び一緒に来られました」という気持ちを感謝とともにお伝えしたかった」と。

「アベノミクス」の総括がないままに、同じ路線を引き継いでいるのです。株価は上昇しても、円安で物価の高騰を一段と招いているのです。成長できない国になっているのです。日本のGDPは、ドイツ、インドに抜かれ現在5位といいます。一人当たりのGDPは韓国に抜かれ22位です。
 

切実な要求を実現するために

ニューヨークの経験は、日本でも必ず起こってくるのでは、ないでしょうか。感性に優れ、行動力のある若者たちが、日本国憲法を学ぶことで、平和、民主主義、基本的人権などを自らのこととしたときに若者のエネルギーが発揮されるのです。私たちの諸要求を実現させるためにも若者の力が必要です。

共同行動をいかに作り上げるかが問われているのではないでしょうか・・・
連帯する1年でありたいものです。

 

決算と今後の方向について亀沢社長が会見
MUFG亀澤社長は11月19日、中間決算説明会で、「過去最高益更新、通期目標の上方修正、株主還元強化」を強調しました。79頁もの資料に添った説明でしたが、ポイント部分についてのコメントを以下に記します。
◆米国の通商政策等による影響は「当初懸念された影響は一部回避できたとしつつも、サプライチェーンの混乱、地政学リスクにも注視」と述べ「世界的な景気後退は回避される見込み」としています。世界的な資金余剰とインフレ等リスク再燃の可能性はエコノミストらに指摘されるなか、このような認識でいいか評価が分かれると言えます。
◆中長期ROE目標12%程度への道を進む、として「政策保有株式(いわゆる持ち合い株)の売却益が無い前提(これまで数千億円計上してきたのが反落)で、更なる利益成長を遂げる」と強気の姿勢です。 (ROEとは自己資本利益率=当期純利益÷株主資本。株主資本=資本金+資本剰余金+利益剰余金+自己株式)
◆銀行に関係してくる業務分野では「資金需要を捉えた貸出の増強」「多様な手数料収益の伸長」「リテールビジネスのROE二桁、新たな産業の共創」を掲げています。この「新たな産業の共創」は、これまでの発表や報道によれば、銀行が入口となりつつ、MUグループ全体で新たな産業育成に関わる総合戦略と言えます。アベノミクスでうまく行かなかった成長産業の創出・育成に貢献しようと言う積極方針はいいとしても、高市政権がアベノミクス反省なしに継承を掲げる下でどうなるのか、健全な金融事業で国民経済に寄与する立場で推進できるのか、注目されます。
◆「金融×AIの先進性を組み合わせ」「エムットにおけるサービス利便性を飛躍的に向上」など述べ、「社会課題の解決~未来につなぐ」「企業変革の加速~会社がかわる カルチャー改革」など幅広い分野について色々な言葉が意欲的に並んでいます。
◆「新サービスブランド・エムット」について、カード獲得や新規口座開設は好調、グループ連携 も拡大」とのことです。新ブランド「エムット」はMUグループ共通の個人向けサービスブランドとして今春に始動。スローガンは「お金のあれこれ、まるっと。」で、ライフステージ全般を支える総合金融サービスを目指す。銀行・カード・証券などグループ横断で「つながり」を強化し、利便性とお得感を高める…と強調。
◆MUFG全体としては政府の資産運用立国プランに即した施策状況と方針を掲げる他、国内外での多面的な事業分野が開陳されており、次号に紹介、コメントすることとします。  
                                                                                        (稲邑明也)
川 柳 与謝糠晶太  (旧三菱)
ガザ廃墟 記憶するべき「世界遺産」
平和賞よこさないなら関税ダ
トラ対応尾を踏むまいと持ち上げる
アメリカの下駄の雪じゃ消えちゃうぞ
牡蠣は死に柿は食われて熊肥える
くまモンは居たたまれずに押し入れへ
今じゃもう足柄山が懐かしい
家計簿は秋の前から紅葉し
カミさんは火の車だけ操縦難
裏金がもういいかいと名を連ね
自民党反省なしじゃ自滅党
身を肥やし犬笛も吹く「代表」様
人ならば犬笛聞いて踊るもんか
新総理 笑顔の放映モザイクで
女性初 なのに下げたいジェンダー度
振り上げた拳降ろせず右ひだり
大陸の虎の尾踏んで危機事態
市長選はツラの皮厚公報に
 
引き続く大波のなか、私達の暮らし・年金は? 
             銀行年金を守る会ニュース10.27.寄稿 稲邑明也(旧三菱)
 科学の発達、世の進歩につれてホントは穏やかに老後を過ごしたい処なのに、暮らしと平和を引っ掻き回す動きが日本の内外で強すぎるようで難儀なことです。
◆天高く物価も高く血圧も なんてヘボ川柳を詠みたもなるほど、物価が依然として高くて、ストレスが加わり血圧も高くなりがちですが、こういう動きの底流、背景にも目を向けてゆきたいものです。
物価は上がり続け6月以降緩和(物価が下がったのでなく上昇率が緩んだだけ!)かと思ったら9月分から騰勢を強め右図のようになりました。(右は25.10.24.日本経済新聞)
更に10月から食品3千品目超が値上げとの報道でした。4月,10月と一斉に皆で渡れば怖くない!ということか?とも思えますが、慣らされる訳にゆきません。特に年金受給者は生活必需品の支出ウエイトが高く、現役を含む全体的上昇率より高めです。
食品の値上げ対策には消費税の減税が有効ですが、これと共に値上げの理由や高価格自体のワケを直視したいものです。物価高騰の中でも目立つのは食品ですが、原材料(米、小麦、肥料、乳牛等の飼料など多岐)の上昇、輸送費や製造コスト、その中の人件費の増加など、多々あって単純ではありません。しかし!…

根っこに円安の大問題
重要なのは、輸入品・原材料の高価格は、円安が主因と言えます。(勿論、食糧自給率が低すぎ=輸入過多の問題もありますが…)
円安は天災ではないし、世界の潮流とかで片付けられず、政治・経済・金融の舵取りの誤りから来ている政災であることを明確にしたいものです。
円安の根底には、歴代自民党政治の誤策、特に安倍元首相がアベノミクス「異次元の金融緩和」で意図的に円安に持ちこんだ、悪質で今も悪影響を及ぼしている問題があります。にも拘わらず高市首相はアベノミクス継承を掲げてマズイことです。
しかも安倍元首相はデフレ下で推進したものが、高市首相がインフレ傾向の今、金融緩和継続のままでは逆噴射になります。浜矩子氏は「タカイチ氏はそこらへんに毒々しい黒墨を噴射するタコみたいだからタコイチだ」と言っていますが、こんな政策方向は困ります。

円安是正し消費税減税こそ物価対策
 円のドル表示がピンとこないという声もありますが、1ドルの品物を昔は80円で買えたのに今は150円払う…といったことです。安倍元首相は円安とするために日銀に無理やり低金利となる施策=異次元の低金利だけでなく、国債増発に日銀引き受け、株ETF購入etc.を強いて今日まで矛盾を深刻化させてしまいました。
国債増発は他国でもコロナ対策で例外扱いでやったものの、規模は小幅でした。
安倍元首相は「日銀は政府の子会社」とまで言い放ち、日銀総裁などから批判されたものの撤回ナシ、本音そのままで悪策を継続しました。こんな安倍元首相・アベノミクスを高市首相は信奉し、日銀に連携と意思疎通を求めると(24日の所信表明演説)日銀の独立性を脅かす政治的発言でした。そして巧言羅列の生活関連施策と軍拡について財源は触れず、結局は安倍元首相通りに国債頼みとなると見られています。
財政は長らく規律ナシで国債が膨れ上がり、引き続く低金利が日米の金利差大となって、円安を誘引し150円台が定着の観です。日銀総裁は異次元の金融緩和に是正姿勢ながらも今になっても利上げは見送りです。利上げすると中小企業に打撃とか、景気悪化とか言われますが、弱者対策としては、大企業の内部留保に臨時的課税し財源として措置すればいいのです。利上げを渋らせているのは、株相場急落など打撃になる!と、昨年も日銀は非難され、投資業界などへの忖度が庶民の難儀に繋がっているのは看過できません。
問題は、金利だけでなく日銀は異常な株式ETFの買い上げなど国債増発で過剰供給しバブル化させた資金をどう減らすかです。ETF売却に百年はかかるなんて発言さえ出ており異常さが浮彫りです。(株式市場に影響させぬため)
それなのに国債増発では、銀行も引受けられず、財務省は海外に売り込み行脚をしましたが、海外の投資家投機筋は日本国債の格付け低下を懸念しています。

利上げと共に抜本策も
円安は、日本経済の実力、産業・輸出力、赤字財政など諸々の問題が総合的に絡まってのものです。ここに至るまでには、アメリカ従属を続けた政権が新自由主義経済を進め、更にアベノミクスが増幅させ「失われた30年」と称される停滞後退をもたらしたのです。これらをもたらした政権・財界が「失われた」と人ごと風に言うのはすり替えであり、庶民からすれば「奪われた30年」と言うべきではありませんか。 ◆30年失わせたの誰なのだ!

高市首相は破綻済みのアベノミクス継承と言い、経済も金融も矛盾が更に深刻化しそうです。既に明確な軍拡方針と併せて国債増発=財政悪化が想定されて、長期国債の市場価格は下落。大量保有する日銀は実質評価損が出るし、金利は上がり諸々の分野に玉突きの悪影響を引き起こしつつあります。
銀行は金利上昇で儲かりますが、他方では取引先の業績悪化・倒産で貸倒費用増大などのリスクが高まります。財政悪化は国債の格付引下げに繋がるリスクがあり、全銀協半沢会長も会見で懸念を表明。特に海外展開の銀行・大企業は海外での資金調達コストが上がり痛手となります。
こんな危なっかしい中で自民党の金融族(特に岸田元首相トップの) 資産運用立国議連をつくって海外大手資産運用会社の要求にも押されながら施策推進を求める「圧力団体」となっています。(ブラックロックの日本法人トップは岸田元首相、石破前首相と面談を重ねた)

どうなる企業年金
これまで、私達としては厚労省が主宰する企業年金・個人年金部会に注目してきましたが、今では内閣府・金融庁が采配する資産運用立国施策に注意が必要な状況です。
他国比でもGDPが伸びず成長産業が余り見込めない状況下、政府は今度は金融業で経済成長を図ろうという方向です。「貯蓄から投資へ」が不振なのを、社会保障削減などと相まって自助へ駆り立てNISAやiDeCoの拡充で庶民の資金を金融市場へ誘導する施策を講じてきました。今では両者とも目覚ましい伸びを示していますが、高くも無い賃金を投資に回せば、消費購買力は落ち、経済成長鈍化に繋がります。
こんな矛盾があるのに日米の資産運用会社・金融資本が政府に求めている状況です。
これまでの号に述べたように政府・厚労省は「私的年金」の分野=個人年金と企業年金両方について資産運用業界の意向に応えての施策を講じてきました。最近の動きで次の点に目を向けたいものです。

定年延長の際の規制打破 
延長期間分の給付額上乗せは当然で、予定利率などでの増額をしないと実質減額になり不可と規制していた厚労省は、1円でも増額ならOKと今月緩和しました。部会で「規制のままでは定年延長の障害になる」との企業側代弁者の発言に屈したものです。
規制緩和に先立つ意見公募で私は、①労働条件の向上義務を定めた労基法に背馳、②定年延長に障害と言うが客観的データも無いままの審議で強行は異常、③むしろ中小企業の定年延長実施例のうち給付改善を行ったのは約7割との金融庁データ(プログレスレポート2025)がある、④手続き煩瑣などと規制緩和を言う部会メンバーは受給権を軽視、④労働組合の無い企業では現役の意向が軽視され易い、との意見を提出。
(この意見公募は全体で7件の提出に留まり、私の意見には肩透かしや無視の表示があり残念)
三菱UFJ銀行は2027年度から定年延長との発表ですが企業年金の扱いは未公表で他行も追随の可能性あり注目されます。

資産運用企業の競い合い 
米欧大手が進出し易くしつつメガバンクが呼応して競争の構図が浮彫りです。特に米欧大手は日本の業界が閉鎖的、グループ企業内の運用体制と批判し企業年金の財政・運用状況の開示を要求(個別基金に営業し易いように)。
こうして厚労省が27年度から基本的な計数をホームページで開示する方針で、この具体化を進める懇談会を今月に設置し7日に開催しました。
米欧大手資産運用企業が運用力を競い基金の利益が増えることはプラスとしても、安定給付が重要な基金にとって、果たして良いことなのか、儲かれば母体企業側が基金に拠出する資金が減るメリットありだが、全体的に利益第一の風潮が次のような事例を増やしており、受給者に芳しいことなのか?一考を要します。
 ◆既に基金運営のコスト削減を狙いにパナソニック、サントリービバレッジなど大手が基金からの給付を廃止し、信託銀行に委ねる方式に切り替えました。こうすると現役らが基金の運用委員会に意見を出す機会が奪われます。代議員会が廃止されると基金で得られた透明性が失われます。後は母体企業と信託会社との契約によりますが信託会社の判断で変更は起こり得ます。(小口給付は数カ月分纏めて延期後送金etc.)
 ◆現役は確定給付から確定拠出に移行する方式が増え、みずほも移行済みですが、従来の確定給付の基金が不要となります。受給者の減少を待って「閉鎖型」に切り替え、そのうちバイアウトで社外移転、とコストダウンを図ることも想定されます。

 警戒すべき次の課題
一連の改定方向の中でも、企業年金・個人年金部会で審議し検討課題とされた中で注意したいのは次の点です。(2024.12.27.部会公表「議論の整理」)

選択型企業年金―給与を引下げ、これを企業年金の掛金に企業が拠出した形とする方式です。現役は給与減の分だけ社会保険料の掛金も減り、後々に健保や失業給付など給付額が減ります。他方、企業は社会保険料の負担は減りその分は利益増額となります。
現役各人の選択に委ねる方式ながら企業年金の本質を逸脱しています。2015年に三菱UFJ銀行が導入し、翌年に三井住友銀行が追随しました。厚労省の想定外のトンデモ奇策で厚労省は命名も公認もできないまま既成事実が進展。部会で審議したのは2023年11月になってからで、用語も未公認で「いわゆる」の枕詞付きの始末です。

バイアウト―企業年金の資産を給付債務と一括して生保などに譲渡するもので、事業のM&A(企業の合併買収)などの必要から、資産負債の圧縮・資本効率向上に資するとか、欧米では既に実施されている、として19年5月の部会で経団連の委員が突然提起。三菱UFJFGとMU銀行も三年前に米国子会社に実施。
企業のメリットや都合は明確ですが、日本国内での事例はなく、受給権がどこまで保証されるのか問題です。M&Aの増加と共に手掛ける銀行やコンサル会社がバイアウトを推奨する流れが強まっています。リスクとコストのかかる企業年金は社外に移転する方が身軽に合併・資本参加し易くなるという算段ですが、受給権を守るなど法整備が遅れており今後の課題です。大銀行の受給者は問題無いとしても世の流れが受給権侵害を問題にしなくなると私達にも間接的に累が及ぶ可能性がでてきます。

支払保証制度―企業や基金が年金給付不能となった場合に備えて受給者に支払いを保証する制度。米欧では多く導入済み。2001年に国会で附帯決議をしたのに政府は棚上げして24年経過。経団連は“モラルハザードとなる”“財源が問題”などの口実を並べて反対のまま先送りしてきましたが、国会決議や受給権の軽視自体がモラルハザードです。こんな状況に批判が出ないと受給者、年金者は軽視され易くなります。

   近頃のメガバンクは
いまメガバンクの目指す方向について日本経済新聞10月10日付「金融ニッポン」でトップらが次の点を発言しているのが注目されます。
資産運用立国政策の安定継続 外資を迎え自らも商機・利益を得るため、この政策が揺らぐと金融機関の国際競争力が低下すると懸念し、継続と強化を政府に要望。
規制の壁・業態横断 銀行・証券・保険など各業態に厳しい規制が残ると問題視。三井住友の中島社長は、銀・証併営禁止の壁打破を率直に要求。三菱UFJ銀行の処罰があったばかりですが証券会社と弱肉強食の競争推進の姿勢です。既に金融庁は資産運用立国に対応して組織変えをしたばかりですが、来年の変更も今月発表されました。
海外展開の規制・リスク 国内市場低迷を補うため、海外展開を更に積極化する一方で、現地規制や為替リスク、競合激化が課題との認識です。
国債格下げリスク 国債の格下げがドル資金調達コストの上昇に直結し、金融機関の安定運営に深刻な影響を与えている点が率直に出ています。​
他、長引く低金利環境下で貸出金利の利ザヤ縮小が定着し、国内貸出の収益が減少、AIやDX時代への適応など語っていますが、私達としても、銀行が健全な発展をするよう注視しつつ受給権守る取り組みを進めたいものです。  稲邑明也(旧三菱)
 
ヘボ川柳 謝糠晶太(旧三菱) (下手な趣味はよさぬか飽きた!と批判される前に名乗る筆名)
天高く物価は高く円は安
天高く物価は高く血圧も (物価高のストレス)
「防衛」とかたって先制武器を買う
防衛省「攻撃しよう」に変わりそう
プーチンとワルを競うかネタニヤフ
飢餓横目フトコロ肥やすネタニヤフ
ガザめざしそれゆけ早くアンパンマン
女性初なのに下げてるジェンダー度
財界が早苗をめでる永田町
早苗でも虚ろな籾に育つもあり
市長選皮の厚さも公報に                 十月詠
 
出直すな!解党だけでもう結構
変えたくはない人たちで総裁選
民をみず自分ファースト自民党
視聴料総裁選分返してヨ(NHK)
三ワルが八十億人振り回し
戦争省「せんそうしよう」とピッタリで
移民ダメ?自由の女神がうなだれる
忘れたか!トランプの爺も移民だった
飢餓のガザ放映あとに食べ比べ
ガザ飢餓にアンパンマンが絶不足
天安門三人寄れば軍事の知恵
参政党伸びたら惨政 ノビる民
身を切らず公金を着た維新議員
夏長く内耳に長居の蝉の声
長月は猛暑長引く月かいな     九月詠

薄サイフ首筋あてて保冷剤
人類の自業自得のこの酷暑
ゆであがる日が近づくか気候危機
釜ゆでの刑を準備の天道様
人類が消えりゃ地球も健やかに
軍事でも一連託生真っ平で
プーチンとワルを競うかネタニヤフ
殺すな!の「モーセの十戒」忘れたか
三人が八十億人翻弄し        七月詠
 
大波が来るなか、暮らし・年金は?   稲邑明也(旧三菱) 25.8.1.
物価高騰の根っこに円安が!
今年に入っても物価上昇率は高く、全国・総合で一月が前年同月比4.0%、二月以降は3%台の上昇が続き、前年比は勿論、数年間も高水準が継続、年金暮らしにとって誠に困る状況です。電気・ガス代補助金の見直しや削減、物流コスト上昇などもあり今後安心できる見通しはありません。

日本の物価は、海外よりも低いとの受け止めが意外に多いようですが、この半年近くはG7諸国の中で最も伸び率が高くなっています。その要因は、コメ高騰もありますが、食料の自給率が低い上に円安が続いており、上昇しやすく高水準続きには馴らされる訳に行きません。
欧米では2025年に入ってからの原油価格下落の好影響があるものの、日本はエネルギー輸入が多く円安が反映する上に、価格が実質的に政府管理の下に置かれているため、皮肉なことに原油下落の影響が表れにくい面があります。

参議院選挙の各党の政策論議では、物価対策として消費税減税論議が盛り上がりましたが、物価上昇・高水準の根因である円安をもたらしている元凶=アベノミクスへの反省・批判が殆ど無く、対応策も出ない状況でした。
円安は単に低金利・日米金利差だけでなく、円の評価を低下させた基本的問題(赤字国債・財政難・産業政策の歪み・低成長etc.)があり、「失われた30年」について「奪ったのは誰なのか」など掘り下げて、真に国民の暮らしが守られる方向へ転換することが求められれています。

   新たな難題 トランプ関税
そんな処にトランプ関税が決着つけられました。詳細が不明確で正式文書も無いなど呆れますが、日本経済、暮らしに悪影響が一段と及ぶことは明確です。予測されていたように自動車産業・農産品・兵器爆買いなどありますが、企業年金に関係してくる金融や、財政、為替動向など問題は多面的に複雑に絡み合い、不透明な中で暮らしも難儀な面が強まらないか?見詰める必要があります。
▼輸入原材料の価格上昇により、生活直結の諸コスト特に食料品や日用品の値上げが懸念されます。
▼製造業・輸出産業をはじめとして雇用や賃金に悪影響は必至で、これから春闘などで賃上げや最賃引き上げにブレーキとなる可能性大です。
▼物価は高水準で賃上げ率低迷となると、国民の暮らしは一段と厳しくなります。経済活動全般に不透明感が広がっています。特に自動車や鉄鋼・アルミ産業への影響が大きく、企業の業績悪化や早期退職者増加も予想されます。

関税交渉の合意に伴う日本からの多額の対米投資(約5,500億ドル、80兆円)が見込まれているものの、それも米国の雇用創出や国内製造拡大が目的であり、日本国内に直接的なプラス効果が即座に波及するわけではありません。
今後について三菱UFJ銀行調査室は「価格上昇圧力は関税の影響で一時的に続く見込みですが、2025年後半以降はインフレ率の鈍化が期待され、2026年6月頃に再び利下げが行われる可能性が示されています」と述べていますが、楽観的に思えます。
MUFG亀澤社長は5月の決算発表で今期(26/3)の業績予想で「トランプ関税」の影響により800億円の利益押し下げを見込みました。

  減税するとしても財源によっては問題が…
参議院選の結果を受けて、ガソリン税や消費税の引下げに踏み切ると、暮らし好転に繋がり得ます。しかし減税財源について、赤字国債増発を充てて、更なる政府債務の増大となると、円の評価下落、日銀の財務劣化、国債格付け引き下げetc.という玉突きとなり、大企業・銀行が海外で資金調達するコストアップほか様々な悪影響の連鎖となり、泥沼の中の股裂きとも比喩される事態に陥りかねません。
(「大企業・富裕層の減税策・優遇是正」を掲げたのは野党の中の一つだけでした)

このプロセスでは金利の上昇となり、銀行は利益増大に繋がるものの、保有している国内外の株式・国債の下落や融資引き当て増・倒産増というマイナス増大も当然に強まります。急激な為替変動や経済の減速リスクを前に日銀は金融政策の調整に慎重を要しつつも金利政策や非伝統的金融政策(国債の売買など)の駆使を機敏にする必要が出てきます。
更に厄介なのは、トランプ関税が米国自体のインフレ要因となり、金利上昇が予測されることが日米金利差を更に拡大し、円安圧力を強めることになります。これでは引き続き日本の物価上昇・高水準の要因となります。

内外の矛盾が深まる程に、アベノミクスの低金利政策の弊害の大きさが明確となり、金融正常化を進めるには利上げが必至としても、悪影響を受ける中小企業、ローン利用者などに支援策とか、激変緩和策とか講じて、筋道の通る国民本位の政策実現こそ重要と考えられます。

   年金はどうなる
いずれにしても私たちの企業年金は、確定給付企業年金であり、▲物価上昇率は給付増に反映しない定額給付という年代が会員に多く、物価上昇の分だけ確実に受給額が目減り、▲会員に増えつつあるキャッシュバランスプランの受給者は、国債利回りで算定するものの、5年分の平均値で5年ごとの見直し(当基金は来年10月)ですから、金利上昇の恩恵は極めて緩やかに反映という仕組みです。
公的年金は、▲マクロ経済スライドという言わば「値引き方式」の継続に加え、▲過去の物価上昇と賃上げ五年平均値と比べて低い方の率を適用して改定、という仕組みですから、実質的に物価上昇率に追いつかない給付!ということになります。

こういう方式を当時政府は「百年は安心」と喧伝したものの、年金者は安心できず、暮らしを守るより抑圧制度を守るため、政府にとって百年安心という仕組みなのです。
公的年金について今年は五年毎の見直しの機会なのに、先の国会では底上げの課題に応えず、自公と立民党の協議が土台となって、あいまいな先送りとし「あんこ」のないままにしたことを受給者は忘れずに次の選挙に備えたいものです。

資産運用立国方針の具体化は
企業年金について近年、政府・厚労省は、主に現役向けに確定拠出年金の拡充策を推進してきました。公的年金が細ることを前提に自助策としての施策でありiDeCoやNISAと共に税優遇とセットで進めてきました。特に岸田政権以降は、資産運用立国方針の具体化として推進されたことが最近3年間の特徴です。
資産運用立国方針は「貯蓄から投資へ」が財界やアメリカの政権から見て遅々たる状況であったために、岸田元首相が「資産所得倍増」を唱えたのを契機に「資産運用立国プラン」へと都合よく「進化」させ、海外大手(主にアメリカ)の資産運用企業が各種年金の巨額資産を狙って、企業年金基金なども含めて乗り出し易く圧力をかけたという経過があります。

これまで会報で連続して紹介してきたように、厚労省・内閣府はこれら施策の一環として確定給付企業年金ではa.企業年金基金の運用管理・ガバナンスの強化、b.アセットオーナー・プリンシプルの導入促進、c.運用状況の見える化・情報開示など、d. アセットオーナー・プリンシプルの導入促進、e.資産運用の高度化などを掲げ、具体化を推進してきました。
当基金としてはa.b.は既に実質的に推進してきた事項・内容と言えます。d. アセットオーナー・プリンシプルの受け入れは早めに表明しました。
c.については先月終わった国会で「確定給付企業年金法の一部改正」法案が可決され、これから具体化の段取りです。
当基金は、決算内容の開示など、ホームページで発表しており、発表事項以外について厳格な対外秘扱いが多かったのですが、当会から要望したことについては回答を得られるようになった変化、前進感はあります。
「運用状況の見える化」の狙いは基金や受給者とは別に、海外の資産運用会社が個別基金などの運用ビジネス獲得のために、厚労省が企業年金全体の運用状況を把握して公表する、とアメリカ流のやり方を徹底することにあります。
これがe. 資産運用の高度化と相まって、運用会社が成果を競い出すと、長期的観点で安定的に運用する従来の方式がどう変わるか?リスク増大にならないか?注意が必要です。

一連の施策は、企業年金分野でも対米追従が浸透して、受給者のためというより、アメリカの大手運用会社のためという色彩が濃いということで、永年の対米追従が問われてきます。
 それでも政府としては、金融庁や内閣官房が中心になって「資産運用立国実現プラン」の進捗状況を定期的に取りまとめ、管理する体制です。また大手金融機関には資産運用ビジネスの経営戦略を明確化し、運用力の向上やガバナンス強化などの計画公表を求め、金融庁がモニタリングを継続しています。
    MUFGもMU銀行も資産運用ビジネス競争を加速
三菱UFJフィナンシャルグループとしてはこれに呼応して次のようなことを打ち出しています。
資産運用ビジネス拡充―貯蓄から投資・資産形成の転換を促進し、日本経済の活性化に寄与する重要分野と捉え、2030年3月末までに運用資産残高を現在の約2倍の約200兆円に拡大する目標を公表。
グループ内の知見・機能の結集―投資機能を市場事業本部から受託財産事業本部に移転するなど、グループ内での役割分担や機能統合を進めています。

グループ外との連携強化―モルガンスタンレーとの連携強化・運用機能の補完、運用力の高度化。
人的資源の強化・カルチャー改革―運用人材の確保のために人事・報酬制度の見直しを行い、グローバルな運用人材育成プログラム(MUFG版グローバルEMP)を策定・推進。
ガバナンス体制の強化―MUFGアセットマネジメント(MUAM)の経営の独立性確保や透明性向上推進。
プライベート資産運用領域の拡充―これは、証券取引所などの公開市場で売買される「パブリック・アセット」とは異なり、未公開(プライベート)で取引される資産への投資のことを指します。具体的には、プライベート・エクイティ(=未上場企業の株式に投資)プライベート・デット(=未公開企業向けの債権、銀行貸付などの一環としてファンドが管理する融資)などあります。

プライベート資産は流動性が低く(売買市場・機会・頻度が限定)、一般に長期投資が前提で、投資額も大きく、限られた投資家のみが参加できることが特徴です。
このため、伝統的な株式や債券とは異なるリスク・リターンプロファイル(リスクが高いほどリターンも高い可能性があるが、損失のリスクも大きい)の分野となります。比較的安定的な収益源泉(賃料など)と成長可能性の高い企業価値拡大の双方を追求する、とされますが、経済・金融の変動大という流れの中で、リスクを一段と抱え込むことになりそうです。
銀行としては、金利上昇→融資増大で稼ぐために預金獲得は重要な施策ですが、これと共に、政府の資産運用立国プラン具体化に即して、7月に普通預金口座開設アプリ「スマート口座開設」に資産運用関連の新プラン「資産運用プラス・セット」をリリースし、顧客の利便性と資産運用サービスの充実を図っています。
 
  行員の中途採用が過半に
三菱UFJ銀行がこの数年、中途採用に力を入れていることが一部メディアで報じられてきました。これまでは新卒一括採用が主流で、銀行自身で四月から新人教育を行うのが普通でしたが、今では、すぐ職場で力を発揮できる人材を採用、新卒と同数程度採用とのことです。
2021年度21人だったのが、22年度以降、毎年およそ200人ずつ増やし、24年度には約550人を採用。25年度は700人を計画、新卒採用(640人)を上回る見通しです。

他のメガバンクも同様傾向で、当初はシステムなど専門性の高い分野を中心に採用を強化していたのが、今では本部の企画部門(人事企画部の組合担当者も)から、支店の窓口や事務担当まで対象を大きく広げています。
この背景には、「金利のある時代」への転換があり、融資などで高度な知識と経験が多々求められ、即戦力となる専門人材の確保を急いでいることや、融資分野だけでなく、AIやシステムなど先端分野で経験を積んできた“ジョブ型”の「プロフェッショナル」人材を迎え入れている状況です。(一部には)
採用ルートは、紹介専門会社経由、行員の直接紹介、そして23年5月、退職者向けに「三菱UFJ銀行アルムナイネットワーク」を開設してのルートもあります。アルムナイは「卒業生」「同窓生」の意味で、実質「出戻り」になりますが、銀行の企業風土文化を体験の上、他社他業を経験しているために貴重な人材とのことです。

  企業年金も曲がり角に?
問題は、中途採用者の給与決定と後の処遇が、一本釣りで銀行任せ?既存行員にどんな影響?組合加入は?企業年金は?などあって注目したいところです。(基金に問合せ中)
いずれにしても、企業年金は終身雇用という日本的経営を崩して一段と企業に有利な方向へ転換した流れ(1995年に日経連が「新時代の日本的経営」を発表、加速)が造られ、企業年金についても、終身の確定給付企業年金よりも確定拠出年金へ、自助の方向へという潮流が財界・政府・大企業が一体となって強めています。
今の基金型を規約型へ移行する仕組みも造られていますが、こうなると企業は基金運営のコスト負担は無くなり、他方で現役は、代議員会や資産運用委員会に参画し発言で来ていたのが出来なくなりますし、移行を契機に給付期間変更など企業判断で可能となります。パナソニック、サントリービバレッジなど大企業も移行を実施しています。基金を解散し「閉鎖型」の仕組みもあります。
 
利益第一の資本主義経済の下では当たり前の道筋という見方もありましょうが、労使対等の原則で積み上げた労働条件の中の企業年金・命綱であり、「賃金の分割払い」を基本として受給権を守る私達の会の存在と活動は重要と言えます。   稲邑明也(旧三菱)
 
 
MUFG株主総会 ネット視聴に参加 浦野弘(旧東海)
株主総会にはネットで参加できることとなっており、約2時間余視聴しました。
第1号議案 剰余金処分で配当は、前年比+23円(年間64円)配当性向40%。                自己株式取得4000億円。総還元率61.3% (前年実績;4000億円;59.6%)
第2号議案 取締役16名選任の件で、社外9名、社内7名(うち新任4名)1,2号は承認。
以下は株主からの提案で、すべて否決されました。 
第3号議案 監査委員会の財務リスク監査にかかる情報開示 株主3名の共同提案です。
第4号議案 顧客の気候変動移行計画の評価に関する情報開示提案
第5号議案 日本資本市場への責任ある貢献の定款変更(総会での発言なし)
第6号議案 会社名変更(フィナンシャル・グループ⇒フィナンシャルグループ(・削除)
第7号議案 役職員心得にエレベーターでの歩行禁止マナーの順守を求める
第8号議案 自己株式取得のトリガー設定(前日比2%以上の翌日に実行等)
第9号議案 社外役員 堀江貴文、立花孝志、三崎雄太の3名を提案

   総会での質疑応答 概要は次の通りです
➀第4号提案に関連し化石燃料等気候変動問題への対応と共に、先住民族対応などの社会的責任、人権問題について、管理職の女性比率、など問い質す発言。これへの回答としては、昨年も同様提案あった。個別プロジェクトの回答は控える。考え方としては、環境方針等ファイナンス規定あり。心配をかけているが、規定運用に努めています、と。
②(事前質問)貸金庫問題―今後の方針及び人事管理などについて。会場からも質問あり。回答は、貸金庫のニーズあり継続。セキュリティ対応は強化。人事管理については、現場の仕事を通じての気づきアンケートなどを行い、きめ細かな改善策も検討をしている。4000項目の事務処理と2000商品種の見直しをしている。亀澤社長からは、長い間のリスク管理の問題とみている。現場の気づきマネジメントの見直しとして「気付きの声」の取り組みをしている
③(事前質問)エムット(=MUFGが、新たに導入した個人向け金融サービス)への質問。
回答は、アプリを活用してのポイント制度を導入した。新しい時代のサービス。
④(事前質問)海外事業について。回答は、海外比率は、事業も人も6割を占める      欧米は、ホールセール事業をモルガンスタンレイなどと共同しながら対応。アジアは、デジタル共同化などなど軸に世界市場動向をみながら特性に合った動きを進めている。
⑤政治団体への献金について考えは?寄付額20百万の根拠は?の質問。回答は、経団連の方針に基づき、献金は議会制民主主義の元での政策本位の社会的貢献である、各銀行はそれぞれの方針での対応である。
⑥日本国債の今後動向見込みと銀行の判断は?の質問。回答は、今後の動向は、財政政策と国債消化動向による。現格付けはシングルAだが、格下げの可能性あり。当行は、日本国債を担保にドル建て資金の調達をしている。今後どう資金調達するか…減少の可能性あり。急激な悪化は考えていないが、国債発行の動向を注視しており、現状運用方針として、サイト3年以内を中心に対応中。
⑦ネットバンキングについて ディズステーション(当行を経由して、手形・振込に代わる決済インフラを利用するサービス)は、使い勝手が悪い。改善を希望。
回答;システムは多岐にわたっており、全体的に見直しを進めているが、第3次オン以降の機器は2023年度から検討中であり、ご理解を頂きたい。社長追加発言として、長期的な対応でありご理解を。
⑧女性管理職比率の30%目標を掲げているが、更なる上限を目指せ。
回答;男女格差は存在あり。一般職と総合職のコース統合を実施、女性管理職が2024年末で24%を30年度に30%とする目標。社長より;役員は女性10名で不十分でありさらに重視したい。
⑨初めての総会出席者 社会の公器としての役割を失っているのでないか。メインバンクとして役割の見直しを!
回答;日本の銀行は、バブル後変遷をしてきている。上場会社の在り方も問われ、他のチェック機能と併せ検討したい。社長より補足回答として、銀行の役割、社会課題解決への認識は堅持してきている。
⑩政策投資株式対策は?回答;7000億の改善。1年で40%処理をした。その先は、経済合理性などみながら対応の方針。
⑾配当政策として今後減配しないか?回答;24年度は配当性向40%堅持方針である。
これまでは、増配をためらってきた経緯あり。今後は40%を目標として、自己株購入も1株利益向上目的であり、引き続き自己株購入も堅持しながら努力をしていきたい。 
 
 総会は10時に始まり12時過ぎに閉会となった。私はこれまで労働問題を中心に事前に質問通告をしてきたが、ここ数年質問もせず、総会をネットで見てきています。
内容的には、質問は多岐にわたり、それなりの議論はされていると思います。国債の所有方針、貸金庫の職場動向など知ることもできました。
私自身が、現場を離れて14年経過し、現場の人たちとの交流も少なく、私たち金融ユニオン(関係会社の非正規従業員対象)の組合員も銀行現場の営業第1線からの情報も入りにくく、貸金庫事件の現場の動向も今回の総会で初めて聞く状況でした。
 海外営業比率の拡大とあわせての多様な問題は全銀協情報もふくめて幅広い皆さんとの交流を通じて問題意識の堅持に努力をしたいと思います。今後、皆さんのネット視聴と寄稿も期待します。 
 
 
ヘボ川柳…
年金暮らしは、とかく世の動きが気になりましてツイくだらない川柳でスイマセン
与謝糠晶太   (旧三菱) →このペンネームは「下手な川柳はもうよさぬか!飽きた」と言われそうなので先手を打った命名です。与謝野晶子に叱られそうですが。

トランプにキングはあるがハートなし
トランプのディールなんてハート抜き
星条旗にハンマーげん骨描き足すか
赤帽が米国の荷を背負い帰国
文書なき合意解釈 俺ファースト
解釈は自由なんです文書なく
舐められてたまるかと直ぐ電話せい
血税で中古ミサイルの高値買い
血税はミサイルよりも教育に
田んぼより票田大事な政治屋ら
票田も評判も無くし枯れ尾花
はじめからイシバシ渡りは無理だった
イシバシを叩いたやつも叩かれて
ウグイスの声してサギがカモ狙う(選挙カー)
ファーストを言うならラスト誰なんだ
ヒトラーに習う者らを叩くべし
SNSウソが早くて事実あと
選挙都度問われてるのは有権者
ジグザグに歴史は進む前向いて
   25.7.20--31.詠む
 
 
古古米を指折り数え年を知る
鶏もないて欲しがる古古古米
古古米を撒かれ黙るは鳥のみか
値が下がるほどに鼻高農水相
農潰し古米で人気はマッチポンプ
食べ物の恨みは消さずイザ投票
短冊に御握り描く保育園児
米国が米穀買えとこわ談判
嫌われて孤立記念日の七・四 (米国独立記念日に詠む)
 
激動の世に MUFG・銀行の先行きは?
3メガバンクグループは25年3月期決算で純利益は前年度比8%増の4兆2,400億円となり、2年続けて過去最高益を更新しました。26年3月期も一段と利益増を見込んでいることが報じられています。
長年続いたマイナス金利が解除され、24年は日銀が2度の利上げに踏み切り、預貸金利ざやが膨らみ、金利正常化の方向をたどり始めたことが基本にあると言えます。しかし、内外の情勢は不透明感が漂い、リスクも高まっています。

トランプ氏が米国大統領に再登場して以降、様々な言動で世界を撹乱翻弄し、日本の経済・金融だけでなく、銀行業界の経営見通しにも影を落としています。
相互関税がアメリカ自体に悪影響を及ぼすことから、米格付け大手のムーディーズは、米国債の格付けを最上位から1段階引き下げたと発表しました(5/16)。 他の大手二社も先行していたことから大騒ぎとはならなかったものの、小幅ながら株・債券・ドルのトリプル安となりました。しかし小幅とはいえ、金融市場の混乱が再燃する可能性も引き続き指摘されています。米国債下落が日本の長期国債下落に連動したことに象徴されるように、トランプ大統領の自国第一主義の施策は今後とも内外に大きな懸念材料です。

亀澤社長は15日の決算発表で、トランプ関税政を巡り、「マクロ経済や金融市場などへの影響が想定される」と指摘。各方面への影響を社内横断的にフォローアップするプロジェクトチームを立ち上げたと述べ、環境を見極めた上で来期を最終年度とする中期経営計画の財務目標を改めて検討し、公表すると説明しました。
一方、中長期的なROE(株主資本利益率)目標については、従来の9-10%から12%程度へと見直し「ROE12%は欧米の大手金融機関と肩を並べる水準。グローバルのトップティアを目指す」と強気の姿勢を示しました。

利上げだけでない先行きの問題
日銀の金融政策の行方は、日本経済の低迷と相まって想定しにくい状況です。利上げに伴い、景気動向、赤字財政と国債の利払い増、国際的信認信用度低下、金融市場への諸々の問題と影響などが絡み合いながら複雑化しています。日銀の抱える問題は、利上げの時期や幅だけではなくて、資金量の問題があり、国債を抱え込み過ぎたのをどう減らしていくのか?も重要問題です。
日銀は25年3月期決算で、保有国債の評価損が28兆6,246億円と公表しました。利上げと共に時価が低下し評価損が膨れたのであり、正常化に向けて保有額を減らす方針でしたが、24/3期比でこの一年間に減らした実績は僅か2.3%です。

政府は国債増発の予算ですが、日銀はこれまで通り巨額買い込む訳に行かず、代わりに銀行や証券会社に引き受け増を協議しているものの、大手銀行などは引き受け減額を主張しています。財務省は海外への売り込みをやっており、NHKが産油国での売込み商談模様を放送しましたが、批判も出ています。無茶なアベノミクスのツケをどうするのか、大きな難題です。
トランプ関税の悪影響は、これから世界各国へ深刻に波及する雲行きのうえ、アメリカ自体が輸入関税増でインフレ加速が想定され、銀行の海外与信先も経営不振となり貸倒引当の積み増しも必要になります。

さらに世界経済の低迷・リスク増で株式・債券相場の基調が大きく変化したり、日本にとって円高・ドル安の流れに転じたりすれば、国内企業が業績悪化、景気後退となり、銀行としては貸倒引当増に止まらない対応が求められてきます。

今後の新分野の方向は…
マイナス金利脱却で銀行は、これから久々に稼ぎ時に入れる時期となりましたが、単純にはゆきません。これまで貸付で稼ぎ難くなっていたために、預金を株債券で運用してきた(預金の約四割)のですが、債券、特に国債が利上げに伴い、価格下落(コインのウラ・オモテの関係)となって損切りを実施し、保有資産の組み替えを国内・海外ともにやりました。この損切りの穴埋め原資は利上げで稼いだマネー、株売却益だったわけです。

前期決算で銀行は、持ち合い株売却による利益増はあったとしても、いわば一過性の実力以上の利益とも言えるのであり、本業で安定的な利益を確保できる態勢づくり・合理化が重要になります。この点で本格的なデジタル・AI化の合理化など課題と言えます。
AI活用合理化策としては、AIエージェント( ユーザーに代わって目標達成のために最適な手段を、自律的に選択してタスクを遂行するAI) の技術導入があります。創業2年のSakana AIと提携するもので「専門知識が必要な業務も自動化」と、一部新聞に報じられました(5/19)。
7月から始まる試行段階では、社内外文書の作成を対象に、銀行業務に特化したAIエージェントの導入を進める。単なる情報の要約に留まらず、業務目的や文脈を踏まえた判断を支援し、実務に即した文書作成を自動化する技術の構築を目指す、としています。この段階の後で、銀行の基幹システムへの本格導入を進めるとともに、融資審査やリスク管理など他領域への応用も視野に入れているとのことです。

このような合理化は科学技術の進歩を有効に活かす面があるとしても、これらに便乗しての更なる無理な人減らし合理化、労働強化、メンタルヘルス悪化などは許されません。早期の肩叩き追い出し、高齢者冷遇や人権軽視の労務管理は、いま一部子会社でも問題になっており(事務センター子会社化のMUBS)、銀行としては、掲げている「コーポレートガバナンス・コード」や「行動規範」の内容に則し、言行一致の経営が求められています。

新サービス「エムット」を開始! 新ネット銀行も・・・
MUFGは、個人向けサービスブランド「エムット」を新たに始めると発表しました(5/27)。既存の「三菱UFJ銀行アプリ」をリニューアルし、これまでの銀行サービスだけでなくキャッシュレス決済や資産運用なども利用できるようにする、ということです。
今まで分散していたサービスを集約することで、利便性と利得性を向上させ、顧客獲得に繋げたい狙いがあると考えられます。

また、26年度後半にはグーグル・クラウドの技術を活用し、新たにネット銀行の設立も目指しています。「実店舗がある強みを生かして、デジタルでも対面でもサービスを提供し両立を図ることで、既存のネット専業銀行とは一線を画す」ということです。27日の記者会見で亀澤社長は「デジタルとリアルのいいとこどりをめざす」と語りました。

こうした“顧客囲い込み競争”は金融業界で激化していて、三井住友フィナンシャルグループの金融アプリ「Olive」はPayPayと連携を発表済み(5/15)ですし、みずほフィナンシャルグループは去年11月、楽天グループとの間で提携強化を発表しています。
MUFGとしては、下記のようなキャッチコピーを掲げて、出遅れていたのを独自ポイントで若い層の取り込みにも力点を置くものと言えます。いずれにしても、科学技術の進歩を顧客利便に繋げることは良いとしても情報の漏洩、誤判断の誘発などのリスクがあることを十分に踏まえて推進することが求められます。

MUFGの「資産運用立国実現への貢献」は?
MUFGは、今中期経営計画の二期目で、7項目の「成長戦略」(国内リテール顧客基盤の強化、アジアプラットフォームの強靭化など)を掲げています。各項目について順調に推移していることを亀澤社長は投資家説明会でも報告しました(5/19)。
この7項目中の一つに「資産運用立国実現への貢献」があります。年金受給者にも関心ある項なので以下に記します。
この戦略は、岸田内閣以降推進されている「資産運用立国実現プラン」に呼応したものです。政府は「資産運用立国」の実現に向け、大手金融機関グループに対して資産運用ビジネスの経営戦略上の位置付けの明確化、運用力向上やガバナンス改善・体制強化のためのプラン策定・公表を要請した (23年12月)のに応えた形です。

MUFGとしては、資産運用ビジネスを「成長と資産所得の好循環」創出の中核、かつ「中長期的な成長戦略の一つ」として位置付け、2024年1月に戦略プランを公表しました。
MUFGの資産運用ビジネスは、「長期的に『世界が進むチカラになる』というパーパスのもと、資産形成支援・社会課題解決・持続可能な社会の実現・金融リテラシー向上など多面的な社会的役割を担うことを目指しています」と述べ、様々な施策を講じています。
♦資産運用ビジネスを、銀行・信託・証券に次ぐ「第4の柱」として明確に位置付け、2029年度までに運用残高を100兆円から200兆円へ倍増を目標。
♦グループ内外の知見・機能結集、Morgan Stanleyとの連携強化、他社買収など推進。
♦三菱UFJアセットマネジメント(株)の独立性確保(24年4月より資本構成をMUFG100%に変更)。
♦金融経済教育の加速(出前授業プログラム、DC加入者教育など)各世代の金融リテラシー向上を支援。 この項については、4月1日に次を発表しました。

金融経済教育の更なる普及の取り組みを強化するため、4月1日付で金融経済教育担当役員を新設し、MUFG常務執行役員 Deputy CSO の南里彩子が就任。またこのほど、MUFGの金融経済教育に関するポータルサイト「マネび屋」をリリースし、グループ一体となった学生向け金融経済教育のプログラムを一覧、申込できる体制を整えるとともに、 デジタル版の新規プログラム「お金の力-CHOICE-Digital」の提供を開始――。

こうして小学生から社会人まで各段階のプログラムを作り、出前講義、オンライン講義を提供し実績数値も表示しています。      
政府としては今年4月1日から金融経済教育推進機構(J-FLEC)を設立し、銀行からも出向させていますが、これとは別にMUFGとして「貯蓄から投資へ」「資産運用立国プラン」を基本に据え、MUFG傘下企業のビジネスに繋げる業務を推進しているのです。

 資産運用立国プランとは
「資産運用立国」を言い出した岸田元首相は、初めは新自由主義経済からの脱却が必要と指摘して国民所得倍増を掲げたのに、資産所得倍増と称するように、短期間のうちに言い訳もいい加減に変えていった経緯があります。いわば国民全層対象のハズの政策から資産保有者対象に狭めた上に内容も変え、しかも、米欧の大手資産運用会社が日本で稼ぐビジネスチャンス拡大の方向に変化してしまったのです。
23年10月、岸田元首相は、「グローバル投資家とのラウンドテーブル」なるものを設定して、ブラックロック、ブラックストーンなど海外資産運用会社8、海外アセットオーナー13、国内勢6金融機関(MUFG亀澤社長も)を招いて夕食会を催したり、官邸での意向把握などに努めてきたのです。
こうして練り上げられた資産運用立国プランには、幾つもの問題があります。

▼「貯蓄から投資へ」は元々アメリカの圧力で、金融自由化を言い出し、預金よりも投資が有利と誘導したものの、勤勉貯蓄安定志向の国民性、バブル破綻の経験から貯蓄の比率が高いのであり、他国大資本の利益のためにリスクある投資へ国民を誘導するのは筋違い。
▼意図的に低金利政策を進めながら貯蓄は不利とか言い誘導するのは如何なものか、
▼税制優遇で誘導しても、貯蓄ナシの国民・世帯には無関係だし、却って格差拡大、
▼誘導策に乘った国民の資金が海外の資産運用大企業によって海外の有利先に向けられると国内企業への投資が軽視され空洞化が懸念される(海外株式投資比率が40%を超える場合、国内ベンチャーへの投資が年間2兆円減少する、との試算も)。
▼そもそも資産運用による「立国」が国家の繁栄に直結するのか?という根源的なことが問われています。

 資産運用立国プランの旗振り・元締めは内閣府で、金融庁や厚生労働省が加わって関係する施策を部会や審議会で論議の上、推進しています。
 内閣府は三月に資産運用立国分科会を開催(5月に議事録要旨公表)、官僚、学者、業界関係者と共に、大手資産運用会社ブラックストーン・ジャパン(株)日本責任者も加わり、施策の要望・具体化など発言、企業年金で参入促進などの言及があります。
かつて喧伝の貿易立国、科学立国など基本政策とは異なる特定政策であり、今は国民の暮らしの基本、つまり賃金・年金でまともに暮らせるようにする、軍拡でなく社会保障・子育て・教育で安心できるようにする、主食確保・食料自給率向上を急ぐ、など根本的政策の抜本的改善と推進が問われています。軍拡改憲に励む政治を正す立国、立憲主義に基づく立国こそ求められていると考えます。                                                                        25.5.28. 稲邑明也(旧三菱)

川柳 与謝糠晶太   (旧三菱)
強権で斜陽加速の王のさばる
あの国じゃ豹変よりも虎変か
ブーメランぶん投げ落日スピードアップ
トランプも盛者必衰心得よ
賢者らを元来た道へ戻す愚者(学術会議解体)
歴史から何を学んだ愚者議員
ベラボーな消費税やめてブラボーだ
暮らし維持よりも大事な制度維持(年金)
年金の積立金は株屋向け
田んぼより票田大事な政治屋ら
裏金に裏米もある政治屋ら
値下がりもヌカ喜びか備蓄米
赤飯を炊くには早いコメ値下げ
二千円でコメを作れる農家ノー
そのうちにセクシーコメとごまかすか
掛け損のままで逝きたい介護保険
笛吹けどミャクミャクだけが踊ってる
ミャクミャクと続く路線はカジノです
復旧に励む能登へと飛べ!ツバメ!
このペンネームは「下手な川柳はよさぬか飽きた!」といれる前に自ら名乗る次第です。
 
企業年金の動向―厚労省、企業年金個人年金部会の審議ー
「企業年金・個人年金部会」は2019年2月から24年12まで39回開催、審議ポイントを取りまとめた「議論の整理」は中間整理を含めて三回目です。大きな流れと施策の問題点は、
▼高齢化、長寿化などにより公的年金(=厚生年金、基礎年金など)を国の責任で拡充すべきところ、マクロ経済スライドなどで抑え込み、今後もこの姿勢を変えようとしない。
代わりに自己責任が基本である私的年金の拡充を進めること、
▼私的年金の拡充推進で膨らむ資金運用市場で、政府は「資産運用立国方針」に基づき、外資運用企業が参入し易い諸々の施策を講じ、運用力向上の名のもとに競争が激化すること、
▼資金運用ビジネスは、投資活発化、高リスク化、バブル化の流れが強まるのに、受給権保護が不十分不明確なこと(支払保証制度、バイアウト)などです。
企業年金は、本来は労働条件に関わる問題として、労働政策審議会の対象とすべきですが、公的年金と関係づけて社会保障審議会の対象としている点は問題です。
27頁に及ぶ内容と今後の方向には、幾つもの問題点があり主な点を記します。、
♠ 公的年金と私的年金の役割があいまいに  
公的年金と私的年金は別ものなのに混然と審議するのは問題です。◆公的年金は、憲法に基づいて国の責任で独自に改善拡充すべきもの。◆私的年金(企業年金と個人年金)を一括りするのも問題。つまり◇企業年金は、賃金の後払いの延払いとして企業が責任もって拠出し退職後に給付すべきもの、◇個人年金は個人責任で拠出し将来に受け取るものです。 
企業年金を公的年金の補完とか公私の連携とかの語句が使われ、「公的年金と私的年金の役割分担」との記述もあり、公的年金の充実棚上げで自助を強いる道筋に繋がります。
公的年金はマクロ経済スライド、年金カット法、物価上昇などで実質減額が続き、最低保証制度も無く、この抜本的改善こそ国の責任として独自に推進することが求められています。それなのに老後生活に不十分な部分は企業年金や個人年金に委ねるのは筋違いです。
♠ 確定給付型の改悪・後退方向
確定給付企業年金(DB)を加入者・受給者のため改善する姿勢は見られず、むしろ逆方向への審議と施策が続きました。キャッシュバランスプランやリスク分担型がその典型例です。
また確定拠出年金(DC)では、三菱UFJ銀行が10年前に、法令未整備のまま先駆けて始めた「選択制DC」は一段と企業年金の本質から逸脱したものでした。
賃金を一部減らして掛金に回し、その分を銀行が拠出したものとして扱い、銀行には節税効果とコストカットのメリットがある。加入者は後年、厚生年金、健康保険、雇用保険、労災など社会保障給付が減る。
三井住友銀行など追随、増え続けてから厚労省は選択制と命名、ルール作りを検討。「議論の整理」では問題点やルール作りの必要を指摘。企業がメリット追求で既存法令をも越えて先行するのを行政側は立ち遅れ、法令で規制するに至らない実情には警戒が必要と言えます。
♠ 自助努力促進の方向は
資産運用立国プランにも基づき、iDeCoや企業型DCで拠出限度や年齢引上げなど拡充方向ですが、次の問題点があります(会員皆さんの次世代にも及ぶ問題として留意の必要があります)。
▲投資のプラス面が強調され、身の丈を越える投資が増える可能性があります。現に、若年層ほどスマホも活用して積立投資が増大中で、元本割れ・手数料失念など発生との報道も。
「市況変動はあっても長期的には資産が増える」と強調されますが、1990年初めにバブルが崩壊してから平均株価が戻るのに35年を要しました。
▲優遇税制などで拠出が増えると、その分、個人消費減退を招き、経済成長に繋がりません。
▲海外への投資に人気が出ている状況ですが、これが増えると円安の要因となるし、国内への投資に向かわなければ経済成長に繋がりません。
▲投資できる人と、できない人の格差が既にあり、税制優遇で更に拡大することとなります。
投資普及のため「金融経済教育促進機構(J-FLEC)」が設立されましたが、「貯蓄から投資へ」を強調することで、子どもも含む教育の公正、投資被害や詐欺への対応など懸念や批判が出ています。MUFGも小中高校向けプログラムを整え出前授業はじめ、社会人向けに色々教育活動推進中。
♠ 競争を促してお得なのは?
企業年金の運用「見える化」推進で、資産運用企業相互の競争が強まり、リスク追求が加入者に転嫁される可能性がでてきます。資産運用企業が運用力向上を謳って基金などとの新規取引開始を求め、既存取引中の資産運用企業も含めてリスク追求に走ると、運用の長期的観点、安定性が薄れ、高リスク追求がウラ目に出て運用成果低下となる可能性もありえます。
運用好調となれば、母体企業は基金に拠出金を減らし得るメリットが出てくることにより、更にリスク追求傾向が高まる懸念があります。
♠ 重要課題は放置、新手追いかけの勝手!
次の支払保証制度とバイアウトは今の受給者に関わってくる大事な問題です。
支払保証制度―企業や基金が年金給付不能となった場合に備え、受給者への支払いを保証する制度です。欧米諸国で実施されていることから、2001年に年金二法を国会で審議の中で、必要性が議論され附帯決議をしました。
しかし、政府は着手しないまま23年経過。この間、反対してきた経団連などは、破綻企業などを健全企業が尻拭いするのは“モラルハザードとなる”“財源が問題”などの口実を並べてきました。 
銀行では、信用保証制度、貿易保険(輸出先の破産や支払い不能などに備える)はリスクに備える仕組みとして当たり前です。「ヘマな企業に対して救済はしたくない」という発想は、自己中心に過ぎませんか。しかも、企業年金での支払保証制度の真の目的は、企業救済でなく、受給者の救済、受給権の擁護であり筋道の通った制度です。
このような基本点を抜きに反対してきた経団連や国会決議を棚上げしてきた政府の方こそモラルハザードです。「議論の整理」は「慎重に検討を行うことにする」と述べていますが、これまで同様の棚上げは許されません。
銀行の内部留保は厚いし、業績が好調だから、自分たちには関係ない…ように見えても、基本を弁えない政治を許すことは、他の面にも権利侵害など響いてくる可能性をはらみます。
 企業年金バイアウトーこれは、確定給付型企業年金の資産と受給者への給付債務を保険会社に移管する売買取引を指します。これにより、企業は年金給付のリスク(市況激動、金利、インフレ、長寿化など)から免れ得るとしています。
企業は、基金が給付に不足する場合に、基金へ拠出する義務がありますが、バイアウトすればこの義務は消滅します。企業としては諸々のリスクを軽減することが可能となります。また、資産・負債の圧縮、資本の効率化に繋がります。
 会社のM&Aでは、年金部分をバイアウトすることもあり、MUFGでは米国子会社で実施(22年に721億円の特別損失処理)。
欧米では、母体企業が多額の損失を計上する事態を避ける狙いから、保険会社にバイアウトすることが普通のビジネスとなっています。
 19年の部会で経団連の委員が提起し、他委員からの意見が出なかったのに、厚労省は、今後の検討課題であるとして「議論の整理」に載せました。「制度の持続性の維持・向上などの観点を踏まえ」と記していますが、持続性維持を言うなら受給者の暮らし維持のためになる「支払保証制度」確立こそ優先課題と言えます。
部会とは別建ての「企業年金研究会」の「議論の整理」(2019年3月)では、「諸外国における年金バイアウトの背景として、雇用関係が終了した年金受給権者に対して企業が一定の保障を提供することが企業の持続可能性に影響を及ぼし、株主に対する説明も難しくなってきていることなどがあげられる」と記しています。
19年の経団連提出文書には「英国における閉鎖型のバイアウト」の記載があり、下記の「閉鎖型」に移して社外移転するビジネスモデルがあるのです。
海外資産運用大手企業が進出を強め、日本の運用会社も呼応してバイアウト事業を展開すると、企業本位の発想が強まってトバッチリが受給者に及ばないとも限りません。日本では法整備されておらず、警戒が必要です。
♠ 懸念される企業年金の行く末…まさかフェイドアウト方向?
財界は前世紀から企業年金を古い日本的雇用慣行として「お荷物」扱いにしてきました。市銀連の退職金共闘は実質的になくなって久しい状況です。終身雇用は止めて雇用流動化が当たり前とする風潮も作られています。石破首相は退職金課税の優遇を後退させる意向です。
こういう流れの中で、確定給付型の企業で、①現役を確定拠出型に転換、受給者だけの基金は解散し、受給者への支給は企業が実施する「閉鎖型」へ移行、②基金を解散し信託銀行所管「規約型」移行という事例が相次いでいます。①は一部損保会社であったし、最近もユニー(東海地方拠点の大手小売業)が実施しました。
②は23年にパナソニック、今年1月にサントリービバレッジなどが移行しました。
利益優先、コストカットを重視する財界と、ここに押されている厚労省・部会の動向に警戒が必要です。2015年に三菱UFJ銀行は法令整備のない段階で選択制DCを世に先駆けて実施、しかも過去最高利益の更新を続けている中でした。みずほは昨年度から現役を確定拠出年金へ移行済みです。
 大企業・大銀行が利益第一で突っ走る中、私達の暮らしがゆとり持てるよう、公的年金・企業年金に留まらず、経済、政治の在り方を問い続けたいものです。  25.3.20.稲邑明也(旧三菱)
 
 
貸金庫保管物の窃盗事件について思う    駒村忠利 (旧三菱)
2024年11月報道で明らかにされた、この事件は元行員として、大きな衝撃を受けた。
それは、①あまりにも長期にわたり ②多数の被害件数 ③多額の被害額 ④貸金庫の特殊性 ⑤当事者が担当管理者であった、など犯罪の特殊性を感じた。なぜ?どうして?何に使った?事件を理解するには、時間がかかった。
 事務管理上の弱点は、それなりに想像できるが、管理上の問題は現職、経営に任せるとして、元行員として職場のモラル、私たち退職者の「誇り」から考えてみたい。
 私は現役時代、少なくない不祥事に遭遇した。ある職場で、現金事故が複数回発生すると、不祥事件の可能性がある、と面接が行われた。
内容は人権無視の、ひどいものだった。しかし、担当の経営職は必死だった。その時、私も面接を受けたが、あまりの理不尽さに怒り心頭!「あなたは、会社に責任を持っていればいいが、私たちは社会に責任を持っている!責任の重みが違う!」と突っぱねた。
当時から私は、従業員組合で代議員なども務め、処遇改善と合わせ、社会の発展を願ってきたものとして、平行員であったが、面接のやり方は屈辱的だったからだ。(昔の話をすると、全て自慢話になってしまうこと反省します)
 今回の事件は、働く(働いた)仲間として「さみしい!」「悲しい!」
窃盗したり換金したりしたお金は「投資に使った!」との報道だが、今の社会の「金、カネ、かね!」の価値観に飲み込まれたのだろうか?
金融業界にモラルを求めたいが、「資本」に情けは働かない。金融労働者は「危険物取扱者!であり、金と情報を身近においている!、との自覚が求められる。
 私も悩んだ、「いい仕事をしたい!」ということは、「儲かる仕事」だろうか?!「社会の役に立ちたい!」は高望みか?―そうではない!「当たり前」の話!!
 不祥事に関しては、経営側の責任は当然のことである。信用を担う従業員のモラルアップと生活向上にもっと力をいれて欲しいものである。国の金融政策も国民生活優先に!
私たちは、明るい社会、平和な社会を願っています。今年は、思い切りいい年にしましょう!
明けましておめでとうございます
先行き不透明な世に私たちの年金・虎の子は? 
 (25.1.1.  A.I.)  
  新年を迎えても明るい話題があんまり満ちている訳でもないのですが、数え年で正月に年齢を重ね得る事自体がめでたい訳ですから、素直に慶びとし、さて今年はどうなるか、どういう方向をめざすか?考えたいものです。  ◆めでたさも中の保証なきおらが春 (以下、川柳もどき)

物価はホイホイ上がって!暮らしは? 
世界各地の戦乱は収まらず、米中対立が続く中で、トランプ氏が大統領に就任、国内では与党が過半数割れで新たな段階に来たものの、果たしてどう展開するやら…と先行き不透明な状況で新年を迎えました。
中東の雲行き次第ではエネルギー価格も上がるし、トランプ追随の石破首相の下で物価がどうなるか?年金・医療など社会保障は?年金生活者には気になります。 

日銀は昨年7月末に利下げしたものの、政府・財界・証券業界などから牽制されて、続けるべき利上げを引き延ばしてきました。12月の政策決定会合では春闘相場やトランプ大統領の出方を観てからなどの口実で見送り、円安を招きました。
この会合では、過去25年間の金融政策を検証する報告書も出ましたが、異常円安を招いて破綻したアベノミクスに固執する姿勢露わです。これでは庶民は救われません。
      ◆アベクロの背後霊立つ日銀ヨ (クロ=黒田・前日銀総裁)

年金生活者は困るんです!
このところ、物価は上がりっぱなしです。物価と言っても支出は多々あり、高齢者にとっては食料品、電気料、医療費など生活必需品の上昇を考慮すると、現役の世代と異なるのであり、官庁統計の平均値で語れない面があります。
公的年金は物価上昇を織り込んで引き上げる建前ですが、20年前にマクロ経済スライド制度を入れ100年安心と触れ込みましたが、この上更に2021年4月から年金カット法が施行され踏んだり蹴ったりでした。  
◆「百年も安心」とはウソついて!
◆安心は政府で ウソじゃないですヨ!
 
物価上昇率に公的年金が追いつかないのは次頁のグラフ(会報記載ですが省略)で明らかです。政権党が実は誰のために何をしてきたのか?振り返りつつ、これからの方向を考える必要があります。

企業年金はどうなのか?
私たち確定給付の年金受給者としても、給付額は固定されており物価上昇分だけ、実質目減りします。
オランダなどでは企業年金でも物価スライドがありますが、日本では皆無の由。
また今世紀に入ってから各銀行では「キャッシュバランスプラン制度」を導入し、国債市場に連動して受給額が増えることもある、との触れ込みでしたが、超低金利据え置きで、主要銀行では最低保証ラインでの給付が続いています。   
     
賃金の後払いである企業年金なのに給付はは市場任せということ自体、筋違いも甚だしいのですが、この上、物価上昇が加わるのは困ります。今この方式で受給し始めた人たちもいるし、これから増えますが、確定給付の人達も共に共通する問題として、金利の在り方を考えたいものです。
 
フラフラ日銀は困ります!
それにしても、物価の番人、通貨の番人という役割を負っている日銀は、物価上昇の主因である円安については、低金利から来る円売りドル買い進行が背景にあることを一段と重視して、利上げを進めることが大局的に不可欠です。
利上げの余波として、株相場が下げたとしても、アベノミクスという誤策で上がり過ぎの調整とも言える訳で、難儀な暮らしと日本経済を基本に考えれば、日銀は本来の役割遂行のため筋を通す必要があります。利上で住宅ローン利用者や借入多額の中小零細企業が困る点では、政府が賃上げや弱小企業支援策など講ずる役目・責任があります。   
 ◆信用を落とし金利は上げきれず

政府は「賃金上昇と物価上昇の好循環」などと言い、財界も同調するものの、公的年金は実質減の仕組み、企業年金は据え置きですからこのままじゃ私たち年金暮らしは置いてけぼりです。  
◆好循環?物価と賃金イタチごっこ!
私たちとしては、安心して暮らせるよう政治・経済にも目を向けていきたいものです。

アベノミクス固執で一段とアブナイ日本! 
安倍政権以降の菅→岸田政権はアベノミクス・異次元の金融政策を継続し、今また石破政権も継続の基本方針です。低金利のみならず量的にも異常な金融緩和を続け、コロナ禍対策もあって国債増発を続け、経済バブル化が進んでいます。

放漫財政のまま財政悪化は深刻化、日銀も国債買い上げは減らしつつあるものの全く緩慢で巨額の国債を抱え込み、利上げ=国債価格下落の矛盾、日銀自体の赤字決算転落の必然性を抱えています。いわば泥沼に足を突っ込んで股裂きなのに這い上がろうとする意欲も低下みたいな状況と言えませんか。日銀は前述のようにアベノミクスに固執の姿勢ですから先行きが憂慮されます。
 
この点で振り返りたいのは、イギリスです。22年9月にトラス首相は、大規模減税と国債増発の政策を発表したら、市場の批判が噴き上がって英国債金利が急騰。財政と金融の政策整合性が無いと市場の信頼を失うことの危険性を浮き彫りにしました。

日本とて放漫財政のままモタモタしていると、投機筋に狙われていつどんな危機に陥るか?懸念は続きます。利上げで日銀自身が赤字になることは必至で国際的信認落下が懸念されています。
世界的にも今は資金過剰=実質的にバブル状況で、崩壊が危惧されています。
株相場もビットコインも暴騰を続けアメリカ経済もソフトランディング政策どころか、ノーランディングつまり景気後退なしで、好況を続けている観があります。リスクが高まり溢れ、市場もこれを無視し、人々も追随の有様です。
◆トランプにトラの子翻弄されそうで

各国の政策当局はあの手この手で矛盾を糊塗策で先送りしている面はあるものの、資本主義経済である限り、異常膨張の破裂は不可避です。これに対応して…
▼著明な投資家・ジムロジャースは前々から警告、今ではバブル崩壊に備えて資産三割を売却しその現金で暴落の際の再投資を狙っているとの報道も。
▼ゴールドマンサックスは市場の資金が一部企業に過度に集中していることなど指摘しアメリカS&P500の名目トータルリターンは大幅低下を予想のレポートを発表。
しかし日本政府は脳天気で、アベノミクス路線のまま次の政策です。

資産所得倍増めざし「資産運用立国」なんちゃって! 
岸田政権は当初、成長の果実を国民に分配する、と「所得倍増」を打ち出したものの、アメリカ詣での後すぐに「資産所得倍増」に豹変。アメリカの巨大資産運用会社のブラックロックやゴールドマンサックスと親密になり彼らの「助言」を受けて資産運用立国プランを23年末に決めました。
柱は
①新規参入促進→外資が参入し易くする、
②運用力底上げ→力ある外資参入に道を開ける、
③年金改革→運用状況の見える化などで競争促進環境づくりです。
この一環として24年8月にアセットオーナープリンシプル(運用資産保有者向けの原則。以下AOPと略記)も策定しました。(概要は会報前号に記載)

日本では年金積立金管理のGPIFや生保ほか資産運用保有者が独自に運用業務をやってきましたが、巨大外資は更なる商機拡大のために日本的慣行の打破も狙って様々な規制緩和や「金融・資産運用特区」設置などを政府にやらせ、企業年金基金への更なる参入容易化で利益獲得体制を築こうとしてきたのです。これを受けて厚労省は企業年金・個人年金部会で具体化の審議をしてきました。

基金向けにガイドラインの改定
一つは「確定給付企業年金に係る資産運用関係者の役割及び責任に関するガイドラインの改定」です。これは、元々1997年に厚生年金基金の運用規制をアメリカの圧力で緩和した時に、せめてもの歯止め的に制定したのが原型です。

その後、財界・大企業の都合で厚生年金基金の代行返上を可能とする確定給付企業年金法の成立(2001年)後、このガイドラインを基金の健全運営、受給者利益保護など目的に制定しました(2004年)。
この後、AIJ事件などでの反省点も織り込んで2018年に改定された経過があります。厚労省の反省不十分なこと等は重要問題でしたが、ガイドライン自体に特段の問題や不都合は、なかったと言えます

しかし改定案を見ると、「外資」に関わる文言は無いものの、参入容易化を織り込んだ内容と映ります。その最たるものはa.運用企業の実績評価、b.外部専門家活用、c.AOP受け入れ要請です。
特にc.は外資参入向けと言える中身であり、受け入れをするのか、しないのか、しないならその理由説明を!という上から目線の迫り方です。

この集約は内閣官房が窓口で、9月17件だったのが未だに増えていない有様です。ほとんどの基金では改定せずとも現行で十分と受け止めていると考えられています。
厚労省はこのガイドライン改定に先立ち、法定の手続きとして必要なパブリックコメント(意見公募)を実施しました(11月22日より一カ月間)。
折角の機会ですので私は下記意見を提出しました。要約すると…
**************************************************
1. 資産運用立国実現プランの制定過程や企業年金個人年金部会の審議では「運用力向上」が強調されてきた。運用力が高まると、母体企業はその分、拠出額を減らせるメリットがあり、これが基金の運用力向上に依拠して母体企業が拠出額低減を図ることになっては本末転倒である。
運用力向上を錦の御旗に資産運用企業の新規参入競争や成果競争が強まると、基金や加入者受給者にとって次のような懸念がある。

イ、    運用力を高めるために、リスク覚悟の運用に力点を置くのでないか。アセットオーナープリンシプル原則(以下AOP)の中には「リターンの最大化を目指すという考え方も含まれる」との記述があり、懸念せざるを得ない。更にAOP補充原則で、外部人材・コンサルティング会社等の活用では「成果報酬の配慮」を記載しており、成果競争が強まる弊害の懸念がある。

ロ、「運用受託機関の見直し」をわざわざ追加するのは、海外運用企業が各基金に食い込む足がかりとなる懸念がある。外部からの専門家を招いても成果最優先で諸法規に背馳とか、特定企業の利益を図る不正を行う行為を牽制・摘発できる体制づくりも必要。ちなみにGPIFの最高投資責任者が、特定証券会社2社の利益を図る行為を重ねていた例もあり、教訓とすべきである。

ハ、運用力競争により、力のある運用企業が更に運用資産を集積していくこととなり、この過程で、弱小運用企業の資産を減らし、市場支配力を強めることにより、市場の乱高下が増幅される懸念がある。

二、グローバルに運用している資産運用企業は日本経済の成長力や日本企業を評価しての投資よりも、海外への投資に力点を置き、円売りドル買い、即ち円安の要因を強めるのでないか懸念がある。
 
ここで特に顧慮したいのは OECDの「責任ある企業行動に関する多国籍企業行動指針」であり、この中には「経済、環境、社会への貢献」がある。
海外の資産運用企業、特に巨大資本が運用力向上で海外投資に傾くと、日本の金融・経済は大きな影響を受ける。確定給付の場合は、基金内の審議を経るとしても変更を迫るとか、確定拠出年金の場合は個人に海外運用を誘導するなどが想定される。
これでは日本の金融・経済に貢献することにならない可能性が高まる。

既に日本の上場企業は海外のアクティビストの跋扈、発言力強化により、コストカットはじめとする利益最優先経営、株主還元強化の傾向が強まっている。これは「成長と分配」「経済の好循環」に背馳する。
また自助を基本とするiDeCoや企業型確定拠出年金の普及拡大と優遇税制は、国民の格差拡大にも繋がっている。この傾向に批判が高まっているのに逆行するような改定に疑問がある。

2. 受給者への情報開示徹底こそ必要
受給者への情報開示については、三月に一定の措置が取られたが、基金によっては秘匿姿勢が変わらない実情がある。印刷書面による定期的報告が多くの基金で廃止により、パソコンやスマホなど保有しない受給者は情報に接し得ないし、保有していてもホームページへのアクセス意識が薄くなる。

そういう状況の中で基金が受給者の利害に関わる改定など、唐突に提起しても受給者は知識・情報が乏しい中で、賛否を問われても自らの権利を守る判断をしにくい。
OECDの企業年金ガイドラインは「ステークホルダーへの責任」「情報開示と報告」の二項目を掲げている。この徹底的履行をガイドラインに加えるべきである。
*****************************************
気になる懸案事項=支払保証制度とバイアウトは?
企業年金・個人年金部会が検討課題に挙げている次の二点は看過できないものです。
バイアウトは企業の年金給付義務を積立資産とともに保険会社等へ引き渡す仕組みです。MUFGが三年前にアメリカで実施、日本の大企業でも欧米で実施例があります。 
部会では経団連の委員が提起しましたが、国内で実施の場合に受給権保護ほかの法令未整備の課題があります。
支払保証制度は受給権保護に必要として2001年に国会で確定給付企業年金法など可決の際に付帯決議されたにも関わらず、経団連などの反対意見に引きずられて未だに棚上げです。今では企業年金の積立て状況が全体として進み、支払い債務比9割超(日経新聞24.10.22)との報道もあります。しかしこれは株高・金利上昇(将来必要見積もりが少なめに算定)によるもので、経済・金融環境の変化によって安心しきれません。

 大銀行の経営の先行きは?
大銀行は今、海外では利上げが進行、日本でも利上げが見込まれる中で過去最高の利益を上げ、株価も高くなってきました。先行きの戦略としては、海外ビジネスの更なる拡大・深耕、国内では銀証隔壁緩和、デジタル化、カードビジネス合従連衡、融資拡大のための預金獲得など策定しているのが共通しています。

こういう中で不祥事件が相次いでおり、三菱UFJフィナンシャルグループの銀証隔壁無視の事件は経営上層部が関与し、一通りの謝罪会見・改善策発表で終わり、銀証隔壁緩和で利益獲得の姿勢に各メガとも変わりない状況です。顧客情報流しのインサイダー事件も摘発されました。三菱UFJ銀行の貸金庫事件の容疑者は投資にカネをつぎ込んだとの報道もあります。
一連の事件で、「貯蓄から投資へ」が孕む歪みと危うさが危惧されます。こんな事件を契機に現役に悪影響が及び、不信感も招いていかないか懸念されます。

石破首相は大軍拡を推進中で、増税、社会保障予算削減だけでなく、異次元金融政策の矛盾と共に更なる深刻化を招き、国民の暮らしは破壊されていきそうです。
取り分け、年金生活者は給付の更なる実質減価、虎の子の減価に直面し、余生をゆったり過ごせなくなります。こういう情勢下、私たちは一段と当会に結集する人たちを増やしていきたいと考えています。そして受給者の皆さんに情報の共有と連帯を広げ、前進した年と言えるよう頑張りたいものです。  
稲邑明也  (旧三菱 25.1.1)
 
 
 
リスク増大の中、年金や虎の子の先行きは?  稲邑明也(旧三菱)
 
トランプ氏の大統領就任前ながら、関税・為替など様々なリスクが増大中で、日本の庶民の虎の子も先行き翻弄されそうです。     ◆トランプにトラの子予測崩されそう (以下◆印は川柳もどき)
アメリカの連邦準備制度理事会(FRB)は22日、最新の金融安定報告を公表し「経済活動の予想外の弱さが、特に株式と不動産で、資産価格の急激な調整の引き金どなり得る」と警告。
これに先立つ11月4日にゴールドマン・サックスは、S&P500指数の今後10年間の年率収益率が3%(過去10年間の実績は年率13%)になるという衝撃的なレポートを発表。 さらに11月19日には来年の株式市場のリスクを強調し、楽観的見方に警告を発しています。


他方、日銀は7月末に利上げしたものの、物価は上がり続けてエンゲル係数も上がり続け庶民の暮らしは厳しいことです。物価の番人のハズの日銀は政権党や財界から株価や景気への影響を一面的に見ての圧力が陰に陽に加わってか、日銀総裁は煮え切らない発言を続けています。いずれ利上げは必至と観測されているものの、夏の陽炎の如しです。株式市場は大企業の利益好調などあって高値で推移している観がありますがいつ崩れるか?分からない面があります。      ◆物価番が株価番に変身か

なにしろ、金融市場は内外とも資金過剰・バブルの状況にあり、リスクの動向次第でいつ激震が来るやも知れない状況と言えます。アメリカも景気の見立ては強弱交叉しており、トランプ氏の自国第一は日本に悪影響必至です。

資産運用立国というものの果たして?
自民党政権は新自由主義を日本にも取り入れた上にアベノミクスが加わって「失われた30年」の誤策が明確なのに、菅政権以降もアベノミクス継承を続け、今月2日に閣議決定の「総合経済対策」は、懲りもせずにアベノミクスの枠組みを基にしています。
これに輪をかけて酷いのが岸田前首相で、資産運用立国プランの実現のために議員連盟をつくって会長におさまり、26日に石破首相に緊急提言を提出したとの報道です。
先行きが懸念される時に「貯蓄から投資へ」と誤導する背景には、アメリカの金融資本の策動があり、彼らの食い物にされて立国どころか亡国への道になりかねません。


 資産運用立国実現施策に即して厚労省は企業年金・個人年金部会で個人年金iDeCoなどの拡充に重点を置きつつ、確定給付企業年金などについても資産運用会社がビジネスチャンスを拡大できるような施策を審議してきました。
これにはアメリカの巨大資産運用企業=ブラックロックやゴールドマンサックスの蠢動があります。彼らは、日本の各基金が企業グループ内で運用し、情報など不開示で閉鎖的!などと様々な解放施策を求めてきました。


厚労省が施策具体化を推進
これに即して総理直結の内閣官房はアセットオーナープリンシプル(AOP≒運用資産の保有者の遵守原則)を制定し新たな施策に乗り出しました。例えば●個々の基金の運用実態など厚労省がホームページに掲示、各基金の運用力向上を錦の御旗にして、海外運用企業が参入し易くする。●資産運用ガイドラインを改定し外資が参入し易くする。 (行政法が義務付けている意見公募を11/22~12/1の期間で受付中)。

ブラックロックは基金に専門コンサルタント派遣など提案…との報道を前号に紹介しましたが、様々な手法で、運用成果競争が激化することになります。基金が増益になれば御の字ですが、高リスク追求となれば、年金の安定給付に添わないことになります。 
彼らは基金の運用損得に関係なく手数料で稼ぐのが本業です。因みに年金積立て運用のGPIFでゴ―ルドマンサックス出身の最高責任者が恣意的取引をやって指弾されています。また、高率運用となると海外に投資増となり易く、円売りドル買い増につながり円安の要因となります。現に新NISA、iDeCoで海外投資が増大中です。
いずれにしても資産運用立国は、庶民にも日本経済にも悪影響が及ぶ面を重視したいものです。

 
核兵器製造企業への融資を直ちに止めるべき    菊池喜久夫 (旧三菱)
            
被団協がノーベル平和賞を受賞しました。被爆者たちが核兵器の被害者を二度とつくらないために長年にわたり様々な活動を続け世界に発信してきたもので、大変うれしいことです。
いま、ロシアのウクライナ侵略、イスラエルのガザ攻撃が続いており、毎日たくさんの人が亡くなり住まいを追われているニュースが流れています。ロシアのプーチン大統領は「核兵器の使用」をちらつかせて脅かしています。核兵器の使用の脅かしによって核戦争が防げるという核抑止論があります。
日本政府も石破首相もこの立場です。しかし、実際に核兵器が使用されたら何十万の人々が一瞬にして犠牲になることは広島、長崎の惨状をみれば明らかです。これは絶対あってはならないことで、人類の生存と核兵器は両立しないのです。
2021年に核兵器禁止条約が発効し、人類史上初めて核兵器を違法化する国際法が誕生しました。核兵器を製造することも国際法違反となったのです。その核兵器製造企業に三菱UFJFGが投融資をしているのです。
オランダのNGO団体“PAX”は、日本のメガバンク3行が、核兵器製造企業に対し、3行合計で約4兆7600億円(1ドル150円換算)の投融資を行っている、と発表しました。(2023年6月30日現在、本年2月21日発表)
これによると三菱UFJFGが約1兆5100億円、みずほが1兆7500億円、三井住友が1兆4800億円などと、巨額の投融資を行っているのです。投融資先の主な会社には、ボーイング社(3行合計で8650億円)、ジェネラル・ダイナミクス社(3390億円)、ハネウェル社(5240億円)など名だたる兵器製造企業が含まれています。
三菱UFJFGは、「環境・社会ポリシー」で「非人道兵器製造事業」として「核兵器、生物・化学兵器、対人地雷」などをあげ、ファイナンスを禁止しています。兵器製造企業、とりわけ核兵器製造企業に対する投融資は、法律の精神にも、自ら決めた「ポリシー」にも反するのではないでしょうか。直ちに止めるべきです。

 

 


   

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